第四話 「Подумайте глубоко(逡巡)」
"どうにかしなければいけない"
「え~ じゃあ、この決済は、
江母井編集長....あれ?」
「(・・・・礼文っ)」
"カチッ カチッ"
すでに、この局内におけるパワーバランスが
完全に礼文一極に傾きかけている事を察知し、
隆和は一人、パソコンの画面で
ネットカジノの収益率をまとめたExcelを
立ち上げ、自分の現状を打開しようと
試みていた....
「(収益率、76%か....
もう少し、欲しい所だな....)」
「あれ、編集長?」
「"!"
れ、礼文?」
"スッ
「ちょっと、この記事の構成の
決済もらいたいんですけど...」
突然、衝立の裏から礼文が顔を覗かせたことに
素早く引き出しを開け、
何の書類かも分からない書類を手に取る!
「大分、局のみんなで話をして、
こんな感じで早版※(朝方に出す記事)の
構成が決まったんですけど...」
「あ、ああ、いいんじゃないか?」
"提案無しでいきなり同意を求めるのか"
「わざわざ編集長にアイデア出してもらうより、
僕達でまとめた方が早いと思って...
じゃあ、この構成で問題ないって事ですよね?」
「ああ、オッケー。 オッケーだ。」
"許可を取らず、同意を求めるだけか"
「・・・じゃあこれで取り合えず
早版の記事の構成決めときます」
「頼むぞ、礼文」
「了解です」
「(・・・・・)」
"タッ タッ タッ タッ....
自分の前を去って行く礼文の消えた
衝立の端を見ながら、隆和は一人
無精気(ぶしょうげ)な顔つきを見せる....
「(・・・・・)」
"どうにかせんといけん"
「(・・・・)」
"カチッ カチチッ!"
自分のこれまでのギャンブル結果が記帳された
Excelに目を通しながら、礼文によって
力の均衡(きんこう)が崩れた
この第四編集局について考えを及ばせる....
「(やっぱり、プールポーカーが
全体的な収益の足を
引っ張ってるみたいだな....)」
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