【第6章】女神教編
第133話 海外進出
殺人容疑がかかったまま警察から逃走した俺は、まず、やり残したことの一つである、吸血鬼ダンジョンを消滅させた。
その際、冒険者資格が剥奪されていることと、全国に指名手配されていることを知り、日本にいても、仲間に迷惑をかけるだけで、自分の居場所はないと感じたので海外へと渡ることにした。
竜化したジークの背に乗り、ドルフの絶影によって気配を消して移動する。各大陸でアルスの分体をばら撒き、影狼達と共に行動させた。
目的は、女神の力を削ぐことと、仲間達の開放だ。それには多種多様なダンジョンへと潜り、迷宮主を出現させ、迷宮核を砕いていくしかない。
世界的に、ダンジョンを資源とみなす動きも出ているので、国と国の外交問題にもなるだろうが、国に対する信頼度も低くなった今となっては、そんなことはどうでもいい。
まぁ、さすがに進んで国同士の関係を悪化させたいわけではないので、狙うのは、各国で主要になっているような人気のダンジョンではなく、人の訪れないマイナーダンジョンだ。
人が訪れないということは、ダンジョンが求める外部の魔力が足りないということになる。すると、ダンジョンは魔力を求めて外へ進出しようとするのだ。
そんな、今にも溢れそうになっている、もしくは溢れてしまったダンジョンなら消滅させても問題ないだろう。
それに、狭い日本と違って、海外ならば、未発見や管理の行き届いてないダンジョンもあるだろうし。
それらのダンジョンなら、
そんな感じで、数ヶ月…
ほぼ全ての日々をダンジョン攻略に費やしながら、数え切れないほどのダンジョンを消滅させてきた。
「あ、ありがとうございます!」
「助かりました…!」
「ああ…神様…!!」
「皆様から感謝されてますよ。魔王様」
「まぁ、雰囲気でなんとなくはわかるけど…俺には言語理解はないからなぁ…」
「ふふふ…魔王様が人々から尊敬の念を向けられるのは我々配下としても嬉しいものですね」
「そうですな!彼の島国の者共に彼らの爪の垢でも飲ませてやりたいくらいですぞ」
「間に合ってよかったね!マオー様!」
「そうだな」
ダンジョンの魔力を探しながら空の旅をしていると、こういう場面に何度も遭遇した。
ダンジョンから溢れた魔物が、近隣の村や集落の人々を襲っている瞬間だ。
今回は運が良かった。溢れてすぐだったようで、人的被害はゼロに抑えられた。
中には間に合わず、「どうしてもっと早く来てくれなかったの!?」なんて罵声を浴びたこともあったが…
そんな風に被害を受けた人達と出会う度、早くクソ女神をどうにかしないとな…という気持ちが強くなっていく。
世界中を巡り、ダンジョンを消滅させながら、数ヶ月行動したことで、わかったことがある。
それは、世界中のダンジョンから魔力が、ほんの少しだけ日本に向かって流れているということだ。
吸血鬼ダンジョンにいた、
もし、共有されている情報が死者の情報だけじゃないとしたら…?
それに気づいたのは、女神のかけらが妙な行動を取るようになったからだ。
迷宮核を壊し、女神のかけらを倒すことで女神の力を削ることができる。そう思って、たくさんの迷宮核を壊してきたのだが…
最近は、女神のかけらが、倒される寸前に、自分が蓄えた力をどこかへ送ろうとするような動きを見せるのだ。
つまり、女神のかけら達が学習しているということになる…
その力の流れが日本に向かっていることに気づいた時に、ダンジョンから魔力が送られていることにも気づけたのだ。
そもそも、おかしいと思っていたことがある。
最初の
日本の場合は、雄介さん達のダンジョン攻略の失敗が引き金になったことはわかる。だが、全世界で同時に?ということは考えられないのだ…
ダンジョンがその情報を共有し、同時に
「世界中のダンジョンは全て繋がっている」
そうとしか考えられない。
そして、その中心は日本だ。
だが、そうとわかっても、今の俺が日本に帰るわけにはいかないだろう。
日本には仲間達もいるから、心配するようなこともない。
まぁ、冒険者学校の件や、小夜の弟のことでこっそりと日本に戻ったこともあったけど…
後のことはシルヴィに指示を出して任せてある。彼女なら、上手くやってくれているだろう。
そして、更に時が過ぎ…
「魔王様…!これを見て下さい!」
「これは…!?」
いつものようにダンジョンを攻略していると、倒した魔物が黒い靄となって消えずに、屍がそのまま残るようになった。
「神様の見立てでは、猶予は一年あったはずだけど…敵の動きが想定より早い?」
その兆候は感じていた。
世界中のダンジョンを巡っていた時、
日本を出る前に会長が、各地のダンジョンが活性化しているとも言っていたし、おそらく、ダンジョンの成長する速度が早まっていたんだろう。
ダンジョンが成長し、想定よりも早く異世界と繋がる扉が開いてしまったのかもしれない。
「魔王様…どうされますか?」
「日本に戻ろう…ダンジョンの中心が日本にあるなら、最初に狙われるのは間違いなく日本だ」
「わかりました、魔王様の仰せのままに…」
俺達は数ヶ月ぶりに日本に戻ることを決意した。
殺人容疑だとか、指名手配だとか、もう、そんな事を気にしている場合じゃなさそうだ…
【名前】獅童 真央
【職業】召喚士
【LV】699(575up)
【HP】112358/112358(7030+5329+99999)
【SP】118616/118616(10590+8027+99999)
【力】12474(1408+1067+9999)
【知恵】12471(1406+1066+9999)
【体力】12476(1409+1068+9999)
【精神】12455(1397+1059+9999)
【速さ】12469(1405+1065+9999)
【運】1328(699+530+99)
【スキル】
魔物鑑定、契約、召喚、送還、魔物言語、魔物探知、複数召喚、遠距離送還、魔力操作、召喚魔力半減、魔力自動回復、魔物強化、能力共有、
神気開放、魂の絆(封印中)
【契約中】
758/758(500up)
【称号】
帰還者、世界を超えし者、元魔王、ダンジョン踏破者、魔物を率いる者、神に挑む者、限界を超えし者、
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