あとがき『魔法少女キリカ』

 この話はKAC2022の2作目の連作短編になりますね。私はKACでは魔法少女モノを必ず書いているんです。何故かと言われたら、好きだから! これしかありません。ちなみに元祖KACでは『西日本魔法少女大戦』、KAC2020では『魔法少年アサヒ』、KAC2021では『魔法少女あいす』と言う作品を書いています。


 西日本魔法少女大戦

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054888843744/episodes/1177354054888843796

 魔法少年アサヒなど

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894451356

 魔法少女あいすなど

 https://kakuyomu.jp/works/16816452219019936314


 お暇な方は1話だけでも読んでみてくださると嬉しいです。一応各シリーズは独立しているので繋がりは全くありません。強いて言えば、必ずトリが出てくるくらいです。私の連作短編にトリは欠かせませんからね。


 前置きはこのくらいにして、キリカの話に移りますね。KAC20221のお題は二刀流です。魔法少女で二刀流と言えば、真っ先に思い着くのは『敵と戦う戦士』と『学生』の二刀流ではないでしょうか。

 しかし私はそんなベタを許しません。よって、お供の魔法生物にその役割を与えたのです。


 ぬいぐるみのフリは辛いホ

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861235999883


 魔法少女モノのお供の不思議生物は、大抵普段の状態と戦闘時で違う役目を持たされています。主人公以外の存在と触れ合う時は正体を隠しているんですね。それもまた二刀流じゃないかと。1話ではテーマ特化の話で文章量は少ないです。まぁそう言うのもアリですよね。

 ちなみに、キリカの妹のまゆはこの話以降出てきません。どこかで活躍させても良かったかもですね。まぁお題との兼ね合いもあるので仕方なかったと言う事で。


 この話の★は9で、PVは28(※執筆時)でした。キリカシリーズ、基本星は厳しいです。むむむ……。


 2番目のお題は『推し活』。この話で推し活をテーマにするには、ヲタ活をするキャラを出すのが早いです。キリカ自身が何らかのヲタにする手もありましたけど、ここはベタにキリカの友人キャラを登場させました。


 アイドルってすごいホ!

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861322397560


 アイドル好きのキャラのたまき、色々とテンプレの塊のような設定です。しかしKACですから仕方ありません。手抜き出来るところは抜かないとね。と言う訳で、推し活をしていた人が次々に体調を崩し、その影にはジドリーナ帝国の四天王がいたと言うベタベタ展開。しかも四天王なのにツメが甘いと言う四天王の中で最弱ポジションです。2話目で四天王を出したのは早かったなと思いつつ、その後に話がうまくまとまっていくのはKACの不思議ですな。


 この話の★は15で、PVは18(※執筆時)でした。基本評価が厳しいキリカシリーズでこの評価は大したもの。ベタな展開が良かったのかなぁ。


 3番目のお題は『第六感』。この話でのキリカはバトルをしまくります。次々と敵が出てくる中で第六感を働かせて撃破する彼女を品定めしていたのが、四天王の二人目のパリピーナでした。


 四天王のワナに弄ばれたホ!

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861452457397


 最初の第六感は敵が次に現れる場所を推理すると言ったものでしたけど、それだけじゃ弱いかなと、第六感を働かせざるを得ない状況を作ってみました。そうして敵を倒せたところで、仕掛けた黒幕が登場と言う流れに。

 パリピーナはこの話の後もしばらく登場して中盤のボスと言う役割をしっかり果たしてくれたのでした。


 この話の★は10で、PVは20(※執筆時)でした。評価は少し下がりましたね。とは言え、PVはいい感じの数をキープしている感じです。


 4番目のお題は『お笑い/コメディ』。この話でコメディ展開をするにはどうしようかと考えた時に、思い浮かんだのがギャールオでした。こいつを弄り倒せば愉快な展開になると思ったのです。普通の発想だとお笑い芸人が襲われるとかですよね。この時の私はそう言う発想に辿り着かなかったんですな。不思議。


 ギャールオが勧誘に現れたホ!

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861522315392


 正体を秘密にしている系の話で一番主人公がピンチになるのが身バレ展開です。4話目にしてキリカは敵幹部に自宅を知られていると言うね。ジドリーナ帝国、恐るべしです。しかしそこに現れたのがギャールオだったので全くシリアスな展開にはなりません。て言うか、しなかったんです。お題がコメディだから。

 ギャールオはキリカをスカウトしようと、あの手この手を使いますが全て空振り。その流れがコメディなんですね。口を滑らせた彼はパリピーナを怒らせてそのまま空の彼方に飛んでいきます。もうね、勢いだけで書きましよ、ええ。


 この話の★は11で、PVは19(※執筆時)でした。評価はともかく、PVは維持しておりますね。バトルモノはやはり一度気に入ると続きを読んでくれるものなのでしょう。


 5番目のお題は『88歳』。キリカの話でこの題となれば、お師匠を出すしかないでしょうよ。と言う訳で、元魔法少女を登場させました。お約束のようにむっちゃ強いのです。そしてキリカを鍛え直すのです。ベタですねえ。


 伝説の魔法少女の特訓は厳しいホ!

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 冒頭のパリピーナとの戦いで実力差を思い知り、助けてくれた伝説の魔法少女にビシバシ鍛えられる。こうして、キリカはパワーアップしたのでした。

 それはそれとして、この話で究極魔法を身に付けたはずのキリカですが、そのお披露目をする機会はありませんでした。何故かって? それは、技に関しては最後まで行きあたりばったりだったから(汗)です。ちゃんと設定しとけば良かったよ。


 この話の★は11で、PVも11(※執筆時)でした。あるえ? このPVの減り、いや~んな予感がしますなあ……。


 6番目のお題は『焼き鳥が登場する物語』。この物語で焼き鳥と言うからにはトリをこんがり焼くしかありません。5話で一応トリもパワーアップしたのですが、このお題だったがために犠牲になってもらいました。


 トホホ、焼き鳥になってしまったホ……

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 パリピーナの攻撃でボロボロになったトリ。その敵討ちで見事にパリピーナを倒したキリカ。お約束の塊です。キリカが焼き鳥状態のトリを悲しんだところで見事に復活するところまでテンプレと言うね。いい感じで話もまとまりました。


 この話の★は19で、PVは23(※執筆時)でした。人気が復活して胸をなでおろしましたヨ。主人公が逆転する展開ってやっぱり受けがいいんですね。


 7番目のお題は『出会いと別れ』。このお題、普通は悲しい別れが多いじゃないですか。だから明るい出会いと別れにしたんです。となると、登場させるのはキリカの後輩しかないですよね?(有無を言わせない圧)


 キリカに後輩が出来たホ!

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 この後輩の登場で新たに後付されたのが他地域でもジドリーナ帝国が暴れていると言うもの。今北市担当で後輩を出しても良かったのですけど、それだと別れの演出が出来ませんのでね、しゃーない。二泊三日しかいないので、必然的に別れが来るのでした。

 後輩をプリキュアタイプにしたのは差別化のためです。おかげで楽に書き分けが出来ました。しかもむっちゃ強いと言うね。とは言え、文字数の関係もあって素直な後輩に。最初は先輩を馬鹿にする系は短編には向かないのでしゃーない。


 この話の★は8で、PVは8(※執筆時)でした。いや~んな予感再びです。どこが悪かったのでしょうなあ……(遠い目)。


 8番目のお題は『私だけのヒーロー』。最初からスーパーヒロインの話だけに、どんな展開にしたらいいのやらとちょっと悩みました。そこで考えたのが、キリカ自身がヒーローになる展開でした。そのために、友達が誘拐されるというシチュエーションを作ったのですね。


 キリカ、君がヒーローになればいいんだホ!

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861790491635


 タイトルは『お前がママになるんだよ!』のパクリです。話はキリカのパトロール中にたまきが誘拐されたので助けに行くと言うもの。彼女に正体がバレないように魔法で見た目を変えて救出するんです。そこでたまきがTSキリカにホの字になると。これでお題も消化出来たので、敵は瞬殺で構いません。ガングロン、マジで見せ場がなかったよ。お疲れ。


 この話の★は8で、PVは11(※執筆時)でした。んまぁ、キリカはこれが普通くらいなのでしょうね。


 9番目のお題は『猫の手を借りた結果』です。さて、キリカの話でどうやって猫を出すかですが……。本部からのサポートキャラで出す事にしました。まず、鬼滅の刃の鬼の血の回収猫が頭に浮かんだんですよね。それが浮かんでからの展開はスルスルっと出来ました。そして四天王最後のヨーキャが、考えの読めないキャラとして大活躍するんですな。


 四天王最後の1人は手強いホ!

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861841647293


 ヨーキャも強さはパリピーナとそんな変わりません。しかし、考えが読めない。攻撃は避ける。天然キャラは、攻撃が当たらなければどうと言う事はないを地で行くのです。ここまでキリカがピンチになったのはお題のせいでもあるんですけどね。猫の手を借りるシチェーションを作らねばなりませんから。そして登場したナーコは言葉を喋らない猫と言う事にしました。その方がお助け動物っぽいので。トリはむっちゃ喋ってるのにねえ。

 ちなみに、ヨーキャがやられる時に発した謎の言葉の元ネタは聖闘士星矢です。分かる人には分かるネタでした。


 この話の★は6で、PVは14(※執筆時)でした。PVがそれなりにあったと言う事は、話自体の完成度が低かったのですね。むぅ……精進せねば。



 10番目のお題は『真夜中』です。9話終了時点で四天王全員倒したので、ここはもうラスボスの登場しかなくなりました。お題が真夜中なので、ジドリーナ帝国は永遠の真夜中になっていると言う設定です。


 ついに最終決戦ホ!

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861908799144


 初っ端でキリカ達は同じ場所に集められます。そこでもうひとつの地域で戦っていたもう1人の魔法少女もやってきました。川徳で戦う魔法少女の相棒がアグレッシブだったので3人はジドリーナ帝国に殴り込みに行くと言う流れに。

 そこで感じる違和感とラストバトル。プロットで書いた展開を最後まで書くと4000文字超えるんじゃないかと思いましたけど、何とか収まって良かったです。その分、駆け足展開になってしまいましたけどね。そのせいでうまくまとまってしまい、残りの1話をどう言う展開にしようかと軽く悩んだものです。


 この話の★は7で、PVは8(※執筆時)でした。ジドリーナ帝国編が終わったのに、ちょっとこの数字は淋しいですね。私の筆力のせいなのですが……。


 11番目のお題は『日記』。このお題で日記と言う事で、キリカがジドリーナ帝国との戦いを記したもの、と言う事にしました。この手の話で敵を倒しても記憶がそのままって、そう言うのがいいかなと思ったので。

 で、時間を一気に飛ばす訳ですよ。飛ばした事で日記に意味が出てくるんですな。そう、魔法少女第2世代の物語が始まるのです。


 新たな戦いホ!

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861991959547


 戦いの終わった後、キリカはジドリーナ帝国との戦いとは何だったのだろうと考えます。仲間達とこの考えを共有出来たので思いを封印する事が出来たのですね。

 時代は飛んで、娘のゆまに日記を読まれてしまいます。そこで彼女も魔法少女になった事が分かるんですね。ご丁寧に、娘の担当もトリでした。お約束です。まあこう言う展開も面白いかなーって思ったんですよ。魔法オバさんになったキリカは昔とった杵柄で敵四天王の1人を一撃で撃破。娘に強力な味方が出来たところで話は終わります。


 娘の名前がゆまと言うのと、キリカの妹がまゆと言うのは最初に思いついた時は気付かなかったんですよ。後で気付いて変えようと思ったんですけど、ゆまと言う響きが良くて変えられませんでした。逆に、敢えてゆまでもいいかなと開き直ったりしたのです。あはは。


 この話の★は5で、PVは9(※執筆時)でした。こう言う展開はあんまり受けないんでしょうか。個人的には好きなんですけどねえ……。



 といった感じで。10話で本編が終わっちゃう予定外の流れに私自身が翻弄されちゃいました。お題を消化しながら物語を進める。KACが始まってからずっとやってる行為ですけど、物語のテンポは悪くなかったと思います。焼き鳥の話が一番評価が高かったのは面白いですね。お題が特殊だったから、多くの人がどんな話にしたのか気になったのかも。

 キリカは評価もPVも渋い話が多かったですけど、個人的には大変滿足しております。来年もまた魔法少女の話を書こう。うん。

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