呪い研ぎの研ぎ師

真打

プロローグ

見知らぬ図書館


 やぁ、いらっしゃい。

 んーと、君は初めましてだったかな?

 それともお久しぶり?

 ごめんね、私はあまり人の顔を覚えるのが得意ではないんだ。


 どちらにせよ、歓迎するよ。

 ようこそ私の城へ。

 ま、ただの図書館なんだけどね。


 初めての方に挨拶をしておくと、私はここの司書である。

 君たちが来た時に、何か面白い作品を提供するのが、私の仕事だ。


 だが残念ながら君たちの声を聞くことが私にはできない……。

 申し訳ない事ではあるが、君たちの本当に求めている物は提供できない様だ。

 だが、私の紹介する作品を読んで、「ああ、面白いじゃないか」と思ってくれれば、私はそれで良い。


 そこで、今回紹介する物語はこれだ。

『呪い研ぎの研ぎ師』


 この作品は不遇職系なんだけど、他にも結構あるね。

 この物語は転生でも転移でもない作品だ。

 世界観を把握するのに少々時間がかかってしまうかもしれないが、私としては面白いと思うので、是非見て欲しい。


 実はここだけの話、この作品を書いた作者は研ぎに少しばかり心得があるらしい。

 自信作と意気込んでいたのでね、ちょっと覚えていたのさ。

 ま、詳しくは内容を見て欲しい。


 ああ、そうそう。

 この作品を読むにあたって、少しだけ知っておいて欲しいことがあるんだ。

 君たちは研ぎと聞いて何を思い出すかな?

 普通は日本刀を研ぐ反った砥石であったり、鑿や鉋を研ぐ長方形の砥石が思いつくんじゃないかな。


 だが、少し考えて欲しい。

 この世界は異世界で、日本の研ぎとは形式がまったく違う。

 なにせ、異国では砥石に剣を当てるのではなく、剣に砥石を当てるのだからな。

 研ぎ方自体が違うんだ。

 それに日本の様に長方形の砥石とかではなく、こぶし大の石が砥石とされていたらしい。

 それ以外でよく見かけるのは回転する石の塊だな。

 あれに刃を当てて研いでいる様子は、ゲームや漫画でも見るんじゃないか?


 ……とまぁ、どうかね。

 これを聞いて少しは興味が湧いたかな?

 そうだったら私は嬉しい。


 では、楽しんでくれ。

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