中近世ファンタジー世界観構築に使えるかもしれない資料紹介

しげ・フォン・ニーダーサイタマ

序文

 このシリーズでは中近世ファンタジー世界観、特にヨーロッパ地域モチーフ――――いわゆる「ナーロッパ」世界観を構築する上で有用そうな資料を紹介していきます。


 先に申し上げておきますと、筆者はナーロッパ世界観について「鍋で殴る異世界転生」1作品(+スピンオフ1作品)しか書いた事がありません。つまりこの分野においては初学者と言えましょう、本来なら何かを論じる立場には無いです。しかしこの作品が一定程度読まれているのを見るに、恐らく読んできた資料とその使は大きくは間違っていないのであろう、そう解釈して本シリーズをしたためる次第です。


 また筆者自身が初学者であるがゆえに、「ナーロッパ作品作ってみたい!」と考えている初学者の方にとって有用なものになるのではないか、そう考えています。ようは初学者にとってためになった資料群なので。



 さてどのような資料を紹介していくか概説しますと、まず筆者個人の哲学に「ライトノベルとは設定がライトな作品ではなく、重厚な設定やストーリーを作品である」というものがあります。これを軸に据えます。


 つまるところライトノベルやそれに準ずるWEB小説においても、世界設定はめちゃくちゃ詰めても良いはずだと考えています。「重い設定の作品は読まれない」は一定の事実と考えますが、「それを軽くライトに見せる(解像度を下げる)」事で可読性を上げ、「読みやすい!」とホイホイ踏み込んで来た読者を、知らぬ間に沼地に引きずり込む事が出来るはずだ――――そう信じています。


 さて、解像度を下げる前の「めちゃくちゃ詰まった世界設定」ですが、これをイチから作るのは非常に骨だと思います。ですのでこれは歴史から引っ張ってくるのが良いと考えます。


 幸いな事に、現代に生きる我々は幾千・幾百年の人の営み――――人類が積み重ねた世界設定――――を簡単に参照出来ます。これほど重厚な設定は他にありません、利用しない手は無いでしょう(研究者の方々には頭が上がりませんね)。ですので、紹介する資料群は歴史を取り扱ったものが主となります。


 長くなりましたが結論としましては、本シリーズでは「中近世ファンタジー世界観構築に使えそうな」を紹介していきます。


(注記:筆者自身は英語が読めないという、歴オタとしては致命的なハンデを抱えているため、紹介する資料は日本語のものに限ります。つまり既に英語資料に手を出している方々にとって真新しいものは何一つありません。その点、ご了承下さい)

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