外章 敵情報整理・陸
「急に敵ユニットの情報を整理しておけなんて、本部も人使い荒いなぁ全く」
中年の男がそうぼやきながら、資料を机の上に乗せる、襟には中尉の襟章が光る。
「しょうがないですって、一様ここ軍事作戦本部ですし、情報の取り扱いはここでやることになってるんですから」
それに付き合う、少し若い男も資料を乗せ、着席する、襟には少尉の襟章。
「それじゃあ、まずは敵の歩兵ユニットの整理から始めますか」
少尉がそう言って一つのファイルを広げた。
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『通常機械歩兵、《ノーマルオートマタ》NO』
出現頻度;★★★★★ 脅威度;★☆☆☆☆ 知能AIレベル;★☆☆☆☆
約170センチ弱の身長を持つ、通常の人型歩兵。基本はAK12に似た歩兵用小銃を持って戦場に居る。全ての戦場でよく見かける歩兵で、装甲は皆無に等しく、撃てば倒れる。
この機械歩兵たちを束ねるは、基本的に人が行う。腕さえ落としてしまえば戦力にはならない。
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『搭乗機械歩兵、《ライドオートマタ》RO』
出現頻度;★★★★★ 脅威度;★☆☆☆☆ 知能AIレベル;★☆☆☆☆
ノーマルと外見の差異は特にないが、主に持っている武装がMP5になっている。戦車や装甲車の機銃発射や修理などの、アシスタントとして同乗している。
艦にも乗っているが、艦に乗っているものは、銃器を所持しておらず、錆対策の為か、体のあちこちを、ゴムで覆っている。
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『火炎放射搭載犬、《ファイヤードッグ》FG』
出現頻度;★★☆☆☆ 脅威度;★★★☆☆ 知能AIレベル;★★★☆☆
犬の姿をした局所防衛ユニット。口が火炎放射器になっており、背中のタンクのガスを使って射程約5~6mの火炎放射と、足に着いた刃物で攻撃を仕掛けてくる。
他にも、口周りは鋭くとがっており、噛みつくこともできれば、口内で空気を圧縮し、グレランや相手が投げた手榴弾を発射することができる。
犬の姿を模しただけあり、素早く機動性に優れるだけでなく、全身を金属のプレートが覆っているため、小口径弾では傷をつけるのがやっと。首筋を通るケーブルを切断するか、爆発物を上手く使って対処しなくてはならない。
局所防衛と言うだけあって、指定された範囲から出ることはできないため、防衛エリアがはっきりしたのなら、そこを迂回するという手も考えるべき。
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少尉 「ハワイでFGと遭遇した時は大変だったらしいですね」
中尉 「ああ、ロクに対処できずに、ごり押しで突破したらしいな」
「そういや有馬指揮官、こいつにも殺されかけたらしいぜ」
少尉 「へえー、アジアではROに撃たれハワイではこいつに噛みつかれそうになっ
ていたんですか」
「この人、指揮官としての意識あるんですかね?」
中尉 「そんなこと言い出したら、戦線長官っていう役職自体がおかしいだろ、常に
最前線を見ながら作戦本部から送られてくる戦略をもとに、戦術を組み立て
るために、指揮官なのに砲弾飛び交う戦場の戦闘に立つんだからよ」
少尉 「では、そんな指揮官のためにも、資料作成続けますか」
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『輸送車輛』
出現頻度;★★★★★ 脅威度;★☆☆☆☆ 知能AIレベル;★☆☆☆☆
機械歩兵たちを運ぶ輸送車輛、大型と小型があり、軽油で動くごく一般的なトラックとなっている。最大乗員数は、大型が20人、小型が12人。
特に装甲や武装は施されていないが、悪路でもスムーズに進めるほど、足回りが強いという情報がある。
運転席は無人となっている。
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『装甲車輛』
出現頻度;★★★★★ 脅威度;★★☆☆☆ 知能AIレベル;★☆☆☆☆
トヨタのハイエースのような形と大きさを持ち、厚さ12ミリ程度の装甲を持った軽装甲車輛。上部に人が乗り出せるよう二つ穴が開いており、そこに円盤弾倉の7、92ミリ機銃を装備、正面には、助手席部分から7、92ミリ機銃が突き出ている。
ガラス部分も、全て開閉可能な装甲に覆われており、正面窓のみ、僅かに覗き窓が存在する。
乗員数は7人、最高速度は時速70キロ程度。
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重戦車『スコルピオン』
出現頻度;★★★☆☆ 脅威度;★★★☆☆ 知能AIレベル;★★☆☆☆
主砲;82ミリ砲 垂直装甲;正面104ミリ 側面80ミリ 後部60ミリ
名付きの中では比較的よく見るユニットであり、戦車隊の指揮車輌として存在する。重装甲とそこそこの砲が売りの歩兵支援重戦車。
全面に黒い塗装が施されており、車体下部がどっしりとした『チャーチル』の雰囲気を持っている。
副武装に、砲塔後部に7,92ミリ機銃があるが、無い車輛もあり、その場合は、正面下部に、グレネードランチャーを装備していることが多い。
――――――――――――――――――――――――――――—―――—————―『量産中戦車』
出現頻度;★★★★☆ 脅威度;★★☆☆☆ 知能AIレベル;★★☆☆☆
主砲;76ミリ砲 垂直装甲;正面84ミリ 側面60ミリ 後部40ミリ
WASの量産型戦車、全ての性能、速度、火力、防御、機動力で一定水準にある万能中戦車、副武装に正面と上部に7、92ミリ機銃を装備している。
しかし裏を返せばどれも高水準では無いため、そこまでの脅威とはみられておらず、改良型も見ることはない。
主砲80ミリ 装甲全面8ミリましの『量産重戦車』も存在するが、目立った差が無いため、まとめて記載する。
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中尉 「こんなもんか?」
少尉 「そうですね、英国戦車はあくまでもロイヤルの物、敵情報に含むのは違う
ようなきがします」
中尉 「そもそも、こんな敵情報を真剣に見るのなんて、有馬ぐらいだし、情報があ
る程度公開されている兵器なら、もっと詳しく知っているだろ」
少尉 「それを言たらおしまいですって」
「上部の人間は、実際の戦場よりもその後の処理と国民をなだめること、後外
交問題しか興味ないのは仕方ない……じゃないんですか?」
中尉 「だからって作戦立案を全部丸投げするのは気が引ける……」
少尉 「じゃあ中尉も作戦考えてあげればいいじゃないですか」
中尉 「俺は馬鹿だから無理だ」
少尉 「し・っ・て・た」
一息入れた後、二人は航空機に関する資料を引っ張りだしていた。
「次は航空機だな……」
「量産型が多いし、一番めんどくさいやつですね……」
ため息をつきながら、また二人はまとめ始めた。
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