第26話

「うん、そうだよ。ここに来て初めて知ったよ」

「へ~、やっぱりそうなんだ~(笑)」

「だろ?稔君の世界はいいな~って思うよ」

「じゃあ、聞いてみたいことがあるんだけどね」

「何です?」

「バレンタインチョコなんてもらったりする?」

「バレンタインチョコって何?」

「女子が好きな男子にチョコレートをあげるの」

「何で?」

「愛の告白ね(笑)」

「へ~そうなんだ」

「な~んだ知らないの?」

「愛の告白なんてすごいね」

 

 

稔は子どもでも愛の告白をするのに驚いた。

そして興味本位で逆に聞いてみた。

 

 

「愛の告白ってなぜするの?」

「自分が好きだということを知って欲しいのよ」

「へ~そうなんだ」

「稔君たちはどうしてるの?」

「僕たちは時々パーティをやってるよ」

「好きな人達だけで?」

「いろいろだよ」

「いろいろって?」

「クラブの仲間とか冒険仲間とかクラス仲間とか」

「冒険仲間って優希君から聞いた冒険旅行ね?」

「うん、そうだよ」

 

 

「パーティがいっぱいあるとお金が大変ね・・・あっそうかお金は要らないんだった(笑)」

「ごちそうはたくさん無いけど楽しいよ(笑)」

「いいな~。その中で告白出来るんだ(笑)」

「好きな人も自然とカップルになってるよ」

「こういうのって大人の人たちもやってるの?」

「そうだよ。恋人を選ぶのにも良いみたいです」

「そうよね~結婚も子育てもお金は要らないんだし、安心して恋愛ができるってわけよね」

 

 

心は稔の話を聞いて住みたい世界であった。

そういう世界が早く実現すれば良いのにと願った。

そして次の質問を投げかけてみた。

 

 

「ねえねえ、結婚相手ってどうやって決めるの?」

「そんなの子どもにわかるわけないじゃないか」

優希が口を挟んだ。

「結婚は自由だって言ってたよ」


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