第22話

健司は小学6年生から学ぶことが寂しかった。

健司は政治の違いを知って次の疑問が湧いてきた。

日本国内の状況はなんとなくわかったが世界との

関係について聞いてみたくなった。

 

 

「稔君。君の話はとても参考になるんだけどね、世界との関係はどうなってるんだろう?」

「世界との関係って?」

「日本は平和な国なんだよ。その平和を守るために自衛隊という軍事力を持っているんだけどね世界とは表向きは平和な経済活動をしているのに領土を奪われないように軍隊があるんだ」

「怖い話ですね。僕が習った歴史でも戦争や軍隊の話は知ってます。でも今は戦争になることがないから警察だけあります」

「警察だけ?」

「社会に迷惑をかけたりする人はいますから」

「そうだよね」

 

 

警察の必要性はなんとなくわかったものの軍隊が無くなるってどういうことなんだろう?

領土問題なんか無くなるはずはない。

そんな疑問が湧いてきた。

 

 

「なあ稔君、どうして軍隊が要らないんだ?」

「平和だからですよ」

「そりゃあ日本だって平和だけど領土の侵略って心配ないの?」

「侵略してどうするんですか?」

「そりゃあ・・・・」

 

 

健司はそれから先の言葉に詰まった。

稔には言い難い言葉だと思ったからである。

稔は健司の気持ちを察して話し始めた。

 

 

「平和って互いを必要としあってるんです」

「世界が助け合うとか言っているけどね」

「僕たちもそう習いました。助け合うということは助けてもらうという内向きの気持ちになる人もいるって聞きました。だから『みんながいないとこの世界は成り立たない』と言うことが良いんじゃないかって言ってました」

「なるほどね。互いの国も互いの国民も必要としあう関係なら相手に困ることはしないね(笑)」 

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