第14話

「停電ってすぐ治らないんですか?」

「電力会社の作業次第だね」

「このお家は自家発電してないんですか?」

「我が家はお金にゆとりがなくてね(苦笑)」

「ゆとりのあるお家は自家発電してるんですか?」

「そうだよ。太陽光発電とかやってるね」

「そうなんですか」

 

 

健司は自分の世界と稔の世界の電気はどのように違いがあるのか聞いてみた。

 

 

「稔君の世界では電気はどうなってるの?」

「ほとんどの家は自家発電していますよ」

「やっぱり太陽光発電なの?」

「いえ、それは少ないです」

「じゃあ、どんな自家発電なの?」

「フリーエネルギー発電って言ってます」

「どんな仕組みなの?」

「僕は詳しく知らないんですけどね。空間にあるエネルギーを使っているんだって習いました」

「へ~、それなら害もなく無尽蔵に使えるんだ」

 

 

健司はよくわからないのになんとなく納得した。

そして

気になる原子力発電のことを聞いてみた。

 

 

「原子力発電ってあるの?」

「学校で習ったことがあるけど、原子力発電が作られる前にフリーエネルギー発電が実用化されたそうです。原子力発電って放射能が怖いって言ってました」

「そうだろうね。現実の世界では原発事故で本当に困っているんだよ」

「僕たちの世界では子ども達が水力発電を作って遊んでますよ」

「小川でも水利権というのがあって勝手に水力発電を作ってはいけないんじゃないの?」

 

 

健司は言い終わってふと気が付いた。

お金のない世界では水利権なんてあるわけがない。

案の定、稔はなんとなく意味がわかったので

 

 

「誰でも勝手に水力発電を作っても良いんですよでもね、周りに迷惑をかけてはいけないけど」

「田舎の小川では手作りの発電機が活躍だね?」


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