戦争をどうかやめてほしい。

夢獄 八意@やーさん

戦争、そしてその犠牲は子供だということ。

 少し今回の戦争について話しましょう。

 今回の戦争はウクライナのNATO加盟にロシアが反応したことにあります。

 ロシアは元々はソ連という国でした、ですがソ連崩壊後、ロシアという国へと変わりました。

 ですが、ソ連があったころ、ヨーロッパの国々はソ連の技術を、軍事力に対抗すべく、北大西洋条約機構という軍事同盟を作りました。

 これは簡単に言ってしまえば、その軍事同盟に加入している国を攻撃すれば、NATOに加入している国全ての宣戦布告とするものです。

 それがNATOという物です。

 そのNATOに加盟したいとウクライナが声をあげたとき、ロシアがそれに反応した形となります。

 ですが、ロシアの反応、これは正直、当然と言えば当然なのかもしれません。

 NATOは元々、ソ連に対抗すべく作られた同盟です。

 ソ連もそれに対抗すべくワルシャワ条約機構という物を設立しましたが、ソ連崩壊後、それは解散し、NATOも解散すると思われていました。

 ですが、NATOはそれでも解散はせず、そのまま同盟国を増やし続け、今では30か国とウクライナ含める4か国が加入希望をしています。

 ですが、その状況にロシアは危機感を募らせたのです。

 ソ連を対抗するために作られた同盟が、ソ連がいなくなったというのにあるのです。

 そして、どんどん力をつけるNATOにロシアは警戒し、ウクライナを取り込もうとしたのです。

 ですが、この戦争は実は最近始まったのではないのです。

 クリミア半島の侵攻、これが2014年から始まったことであり、ここからウクライナとロシアの戦争は始まっているのです。

 ウクライナとロシアの戦争は8年前から始まっているのです。

 ロシアがなぜ、クリミア半島を侵略したのか、それは地形的にクリミア半島がロシアの軍艦を運用するときに必要な土地だからです。

 黒海から軍艦を出すのにクリミア半島はこの上ないほどに便利な場所だから、無理やりクリミア半島を手に入れたのです。

 そして、親ロシア派などが東の土地を奪い、そこでも多くのウクライナ兵が犠牲となりました。

 ここまでが、ロシアとウクライナの戦争の発端となります。

 では次に、ウクライナとロシアの戦闘について、話しましょう。

 今、ウクライナとロシアはハリコフとキエフを攻撃目標として動いてます。

 ロシア軍は侵攻に使う軍の8割を動員させ、ウクライナに攻めていますが、ウクライナ軍の想像以上の抵抗により、侵攻のスピードが落ち、首都キエフ陥落は数時間で終わるだろうと言われていましたが、今執筆しているこの時も陥落はしていないのです。

 これはウクライナの軍だけではなく、市民が武器を持ち、そして他国からの武器供与によるものでしょう。

 ウクライナの国土の倍はある大国ロシアに一歩も引かず戦っているのです。

 命を燃やし、愛する祖国と子供達の為に……戦っているのです。

 ここから先は……私の今思っていること、そして戦争の悲惨さを伝えましょう。

 正直、この戦争は私にはわからないのです。

 初めはロシアは親ロシア派が支配する地域を護るために始まった戦いです。

 その地域だけを支配すべきものなのに、ロシア軍は首都キエフまで進行しています。

 この戦争の目的は……どこなのでしょう?

 ウクライナは市民まで武器を持ち、声をあげています。

 子供達を、祖国を護れ!

 ……と。

 そして、ロシアの兵士はこう言っているのです。

「お母さん、怖いよ」

 と……。

 ……私は、戦争という物を……どんな感情で見ればいいのでしょう?

 子供達が楽しく、笑いながら遊ぶ公園に不発弾のロケットが突き刺さり、美しい街並みが爆弾で破壊され、美しい花畑に戦車が花を踏み潰す。

 それでも、建物や景色はいいでしょう、戦争が終わり、国の市民たちが戦争という傷を癒しながら治せば、きれいさっぱりとはいきませんが、また美しい街並みが戻ってきます。

 何年、何十年という時間をかけ、街は治るのです。

 ……ですが、どうしようもなく治らないものが、この戦争にはあります。

 それは何か?

 ……子供たちの命、そして、その子供達を護るために散って逝った兵士の命です。

 私はニュースでとある映像を見ました。

 救急車で運ばれ、ストレッチャーに運ばれ治療を受ける子供。

 ロシアの砲撃を喰らい、重症の中運ばれてきたのです。

 多くの医師がその命を助けようと心臓マッサージやAEDをし、何とかして助けようとするのです。

 小さな身体に強力な電気を放ち、勢いよく胸を何度も押し、命という灯を消さないよう尽力する医師が言うのです。

「これを見ろ! これが戦争だ!」

 ……と。

 そして、その命は消えたのです。

 その子の歳は六歳、普通だったら、外で楽しく、眩しい笑顔を見せながら遊ぶ年齢です。

 ……何が戦争だ。

 私の心は壊れそうにもなります。

 未来ある若者が、悲しみの中死んでいき、楽しく遊ぶはずの子供たちが有無も言わずに死んでいく。

 そして、ロシア兵も言うのです。

「怖いよ……」

 と。

 ……この戦争は本当に意味のある戦争なのでしょうか?

 子供が死に、若者が死に、悲しみしか生まないこの戦争の先に何があるのでしょう?

 その戦争は、今この小説を書いているときにもまだ続いています。

 私は、戦争なんてもう起きないと思っていました。

 戦時中の日本の話を聞き、その悲惨さ、残酷さを心に刻み、戦争はしてはいけないと思っていました。

 確かに、こんなことを書いている自分はバカでしょう。

 こんなこと書いているよりもすべきことがあるだろう!

 そんな声が聞こえそうな気がします。

 ええ、そうです、私にはすべきことがあるでしょう、今すぐにでも武器を持ち、ウクライナに向かえばいい、ただそれだけです。

 ですが、それができない、そんな自分の無力さに私は……苛立ちを覚えます。

 なんで……なんで! 助けに行けないのか……今この時! 俺と同じ若者が死に、子供が助けを求めているのかもしれないのに……私は何もできないのです。

 こんなに自分の無力さを呪ったことはありません。

 何が戦争だ、その先には悲しみと憎悪、後悔しかないのに、人は同じ過ちをするのです。

 私は戦争を恨み、憎み、軽蔑します。

 未来ある子供の屍の上に何が立つというのですか。

 そして、戦争で戦う兵士が怖いと言っているのです。

 こんな悲惨なことがありますでしょうか……。

 戦争は盲目です。

 どんな大義名分があったとしても、どんな目標があったとしても、戦争は必ず盲目となるのです。

 後ろで子供の命が無くなっても、戦う兵士は声をあげるのです。

 祖国を護れ! 未来ある子供達を護れ!

 そう叫び、涙を流し……散っていくのです。

 ……こんな残酷すぎる世界は……もう懲り懲りなんです。

 内戦、紛争、テロ……。

 血まみれになる子供達。

 その姿を見てもなお、世界は平和と呼べますか?

 世界は美しいと……今から生まれてくる子供達に言えますか?

 ……私はそう思います。

 だから、私はこの文字をここに残します。

 この文は、無力な私の泣き叫ぶ言葉と思ってください。

 涙を流し、書いた文だと思ってください。

 そして、私はこの戦争で被害を受け、死んでいった人たち、そして悲しみにまみれる人に頭を下げたいのです。

 こんな無力な私を赦してください。

 私はこんなことしかできない、募金をしたって、こんなバカな文を書いても、貴方の心の傷は、そして失った命は戻ってこないのです。

 ごめんなさい。

 ごめんなさい。

 ごめんなさい。

 私は何もできない。

 そんな私を許してください。


 ……もし、許してくれるなら、戦争が終わった時に、あなた達の故郷を教えてください。

 ウクライナの花畑を、ウクライナが自慢できる特産物を、そして……。

 子供たちのはしゃぎまわる姿を私に見せてください。

 ひまわりの花を……見せてください。

 私は平和を望みます。

 もうこの平和という物はこないかもしれません、ですが、私は願います。

 ウクライナに平和と日常が戻ってくるように。

 そして、子供たちの笑顔が戻ってくるように。

 私は……願い続けようと思います。

 ウクライナの皆さん、どうか無事で……。

 そして、ロシアの皆さん、どうかその戦争の意味を理解し、自分の心に問てみてください。

 貴方の持つその武器は、子供を殺すためにあるのですか?

 違うならばどうかその武器を置いてください。

 それが平和への第一歩です。

 子供たちの笑顔を護る行動です。

 お願いです……武器を置いてください。

 ……では、私はここまでにします。

 この言葉がどこまで届くかわかりませんが、私はここで筆をおきます。

 最後に……。

 私は戦争を望みません、望むのは平和と子供たちの笑顔です。

 貴方のその戦争の先には、それがありますか?


 では……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る