二刀流 宮本武蔵が関ヶ原合戦にいたら

みお

第1話 天下無双 宮本武蔵

天下無双の宮本武蔵。


まさに、チート。はい、最強の剣豪です。


そんな宮本武蔵が関ヶ原合戦にいたら?




--------------------




関ヶ原には、霧がかかり、辺り一面、重苦しい雰囲気が漂っていた。


その雰囲気を察してか、動物たちは誰も出てこない。


すでに陣ができており、東軍西軍の両者は、合戦の合図を待つのみとなっていた。



東軍:徳川家康


西軍:石田三成





東軍には、黒田家がいた。


その黒田家の雑兵たちの中に、一人ただならぬ気配を持った男がいた。


「あの男ってさ、生きるのを諦めた奴か何かか?


防具も何もないし、刀しか持ってねぇ。


あんな服装で戦に出たら、死しか待ってねぇだろ」


雑兵の中で、こそこそと噂話が流れる。




そんな中で、変わり者の雑兵が一人いた。


「兄ちゃん、出陣のときからさ、何もしゃべってねぇけど、具合でも悪いんか?」


怪しい者に声をかけるなんて、拍手を送りたい。まぁ、案の定、雑兵の一人が男に声をかけても、その男は何も答えない。


「やめとけよ。これからバカでかい戦が始まるんだ。きっと緊張してるんだよ。な?


てか、兄ちゃん、防具何もつけてないじゃないか」


そう、雑兵のもう一人が言うと、その男はやっと口を開けた。


「刀がある」


「いやいや!


刀があってもさ、なんというかな、こう体をね、保護してくれる硬い防具とかさ、頭に被るとかさ、そういうのはないん?」


「ない」


「あちゃー。


まぁ、これらも金かかるしな。


しょうがねぇ。


俺らが兄ちゃんのことを守るしかねぇな!」


変わり者の雑兵は、その男の肩をトントンとたたいて、ニヤッとした。




「弓飛ばしたぞ!!」


見ると、井伊直政が率いる赤備えの軍勢から大量の弓が西軍に向かっていった。


合戦の火蓋を開いたのだった。


「あの連中ら、まじで、全身真っ赤やん。甲冑も赤で統一されてんね。


井伊の赤鬼のお出ましかぁ!」


黒田軍は、赤備えの攻撃に目を見張り、ざわついていた。



「おのれ!


井伊め、抜け駆けせおって!


先陣をきるのは、俺ら、本多忠勝だぁ!!!」


赤備えの攻撃を見て、本多軍は我先にと、西軍に突っ込んでいった。


こうして、黒田軍も戦いへと入っていくのだった。







黒田勢は、西軍と激しくぶつかり合う。


雑兵たちも必死だ。


必死に槍で応戦する。


あの変わり者の雑兵も死に物狂いで挑んでいた。


しかし、敵の勢いにおしやられ、負けそうになる。


変わり者の雑兵は思った。あ、これで死ぬのかと。


と思った瞬間、目の前に血飛沫が飛んだ。


その血飛沫は自分のではなかった。敵兵の血だった。


目を大きく開けて、驚いているうちに、あの男が次々と刀で、相手を斬っていくではないか。


しかも、目にも止まらぬ速さで。


その男は、二つの刀を使い分けていた。どう使い分けていたかは説明できないほど、スピードが速すぎた。


二刀流の剣士。


宮本武蔵。








関ヶ原の合戦は、黒田がついた東軍側の大勝利だった。


「えいえいおー! えいえいおー!」


の声が関ヶ原に鳴り響く。








筆者の戯言


宮本 武蔵(みやもと むさし)は、江戸時代初期の剣術家として、知られています。


大名家に仕えた兵法家でもあり、芸術家でもあるんですよね。


いろんな才能を持っていますよね。



二刀を用いる二天一流兵法の開祖であり、京都の兵法家・吉岡一門との戦いや巌流島での佐々木小次郎との決闘が有名です。



宮本武蔵については、まだまだ謎が多いことだらけ。


関ヶ原の合戦にいたという説もあるので、今回そのお話を書いてみました。


いかがだったでしょうか。


では、またっ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

二刀流 宮本武蔵が関ヶ原合戦にいたら みお @mioyukawada

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ