ショート小説

文尾 学

第1話 バブル•フラワー

大きな戦争の後、平和を願って、化学者たちは頭を悩ましバブルフラワーと呼ばれるシャボン玉を開発した。

使い方は簡単。

花の種が混ざった液体を、ただシャボン玉のように吹いて空に飛ばすだけだ。このバブルフラワーは簡単に割れず、何かものにぶつからない限り、何処までも遠くに飛んでいくことが出来る。

割れて種の混ざった液体が地面に落ちると、一週間で綺麗な花が咲く。

世界中の子供たちはこれを面白がり、バブルフラワーで遊ぶようになった。そして、多くの土地が花で埋め尽くされた。

大人たちは足元を埋め尽くさんばかりの花を見て、この花の数だけ、世界中に子供がいるのだと思い、武器を置いて、代わりに花を手に取るようになった。

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