お、落ちねえ⑨

 フィリアといえば大蛇に喰われてしまったその腕から唐傘を射出していって口腔部をズタズタに引き裂いていった。

 それに動じた様子はあれど致命傷にはなっていない様子である。すぐさま腕が引き抜かれていって咆哮を放とうとしていた。

 驚きはしつつも下顎を叩くことでそれを封じていった。だがこの行為すらも越えていくことをされては堪ったものではない。

 顎を支えにしているはずなのにそれに遮られることもなくフィリアの眼前へと向けて飛ばされていた。

「逃がすかよ。あれだけの殺戮をしてなお無傷で済むと思っているのか」

 目の前にいるあの蛇野郎が全身を傷だらけにしながらも既に再生が始まっていることに戦慄を憶えてしまう。

「まさか。それでも出来て命がけの時間稼ぎだけですかね。そうでなくても相手が強いものですからどちらかが終わりを知るまで永遠に続けていてもいいのですけれど」

 カットラスを引き抜いてきた彼は片割れにへと素直に渡す。そしてそれを受け取ったかと思えばすぐさまこちらにへと投げ込んできていた。

「ッ⁉今更どういうつもりでッ」

 飛んできてそれを横にへと薙ぎ払い弾いていく。

「目くらましですよ。君を倒すために全力を以て応えるためにね」

 この言葉を聞いてしまえば背筋を冷ややかなモノにするには十分なものである。危険な者たちであると改めて認識していた。

 そして少しは会話の余裕もあるのではとも思えてくる。なので話しかけてみようかと自然と脚は前へと進んでいた。

「そうか、でもそれでは数の差を負けた理由にしないでもらえたら嬉しいのですが」

「まさか、それをまず劣っている方がいうのはまた違うのではないでしょうか。それとも得意不得意でも出るとでもいうのでしょうか」

 何を馬鹿なという調子で聞いてきていたからにはしっかりと御答えしなければいけないだろう。

「当然でしょう。そしてそれはそちらも同じはずだ。圧倒的な暴力で数を制圧するのは世の常というものだ。だからオイラは君たちをここで終わらせる」

 友達にでも話しかけるように二人の隣にへと並んできていたフィリアである。そして一度唐笠を振っていく。

「今更なんのためにか。面白くもない」

 それが余りにも遅いものだったので瞬時にその場から離れることで無傷で済んでいた。

「であればその分を命がけで付き合ってもらおうか。名前も聞いていないことだし」

 弐本の唐傘を取り出してきてそれを持って目の前にいる怪物な二人へと斬りかかっていった。

「そんなものは」

「当然ながら」

「「あるわけがないッ‼」」

 地面を蹴りあげていき双方全力でぶつかっていった。


 この他にも戦場は数多く存在しているのを忘れてはいけない。

 いくつもの巨大な氷塊が落下しておりそれがもう地上の者達にとっては恐怖となっている。

 ただそれよりも優先すべきものがあったのは流石に信じられないものであったのだが。

 ゴーストリット公国というのがたった一つの衛星兵器によって滅んでしまったのである。

 かつて世界にて暗躍していたとされている国ではあるがそれでも国の一つが焼かれてしまうのは誰も望むことはしていない。

 だというのに国としては決して弱くはないはずなのに一瞬で消し飛んでしまうのというのは異常としかいいようがないというものだ。

 なんだといってもそれを行った兵器というのは破壊するのが吉であろう。それを目指して既に稼働をしておる部隊はいたりする。

「突貫で挑んで頑張っていけば問題ないっていうのですからね。それでこそ戦えばいいのだけれど」

 とはいってもゴーストリットのネアン隊の隊長はそんなことをいってはいるのだがまぁそれを聞いている部下というのはまたかとうんざりしているのなのだが。

「なんだっていいけれど自国を焼かれても感情動かさずに平然としている軍隊はいないってね。出来やしないかもですがそれでも今回はあれを墜とすのがメインでしょうが」

 などといっても気軽にはいってもそれを実現できるのはまた別の話である。それでなければもう一発を、もしかしたら先ほどよりも火力の大きいもので撃たれていくかもしれないという恐怖が昇ってくる。

 ネアン隊にとっても高速艇で以て一気に加速していき謎の衛星へと突撃していくこの作戦ともいえないシンプルなこれは大事なことである。

 考えてでもやるしかないと思っても出来ないことはある。

「ということはまぁあの衛星を一機墜としたレスティラ王国の奴らは強いものだと感心させられるて。どうやったかは送ってもらった情報から読み取れはするけれど」

 艦橋にてその送られてきたという映像を眺めているのが一人いたりする。

 それが何かなんていうのも想像は出来てしまう。ただもうこれは現実として受け入れるのが難しいというだけである。

「無茶が過ぎるて。どうして生きていられるのかただの衛星が」

 蛇として異様な動きを示しているのは爬虫類オタクとして納得できない。こんな歪なモノを生きていると表現していいのかとも思う。

 それでも触手を動かしていっての捕食を可能とするのはもうおかしな非現実を理解させられる。

「まぁどちらを強く思えばそれを相手する方を恐ろしく思えてくるというね。どうなっても異常にね、どうしてもそう想像できてくる」

 そうはいってもなんだってかは知らないが現実としてこれは先ほどまでおこなわれていた光景であるのだ。

 更にいえば正面にいる何かをと思って眺めていたら展開が速いものであると驚いてしまっている。

「………………………………落っこちてくるのは勘弁して欲しいくらいなのですが」

 目の前のすりガラスに映し出されていた光景というのは中々大きな衛星がこの艦をも巻き込んでいくつまりかという風に落下を始めてきていた。

 艦長の席に座っていた彼の者は出撃の指示を出していく。ふざけていなくてもそうであってもこれくらいで仕事の放棄はしない。………………多分。

「あいよ。よく言ってくれた、そうでなくてはな」

 気合を入れてながらも息を吐きながらも真っ先に出撃をしていった隊長さんであるのだ。

「んなことで最初にいくのが隊長って………………………………なんも間違っていなですね。これならちゃんと報連相をしっかりとやって欲しいけれど、それが出来ていければ負けてしまうことなどはないっていうのに」

 そして部隊の他の者達も次々と出撃していっていた。

 突撃してくるのはいったい何かというものであるがやっぱりでかい衛星であるのは変わらない。

 迎撃のための砲台も当然ながらついてきておりそれらも放たれてきているのは明らかに過剰ともいえる戦力ではないだろうか。

 ネアン隊に先行で配備されているメイリオは比較的小さな機体ではあるが今まで出てきた種類と比べてしまえば人型であるのが珍しくもある。

 だがこのような衛星兵器を破壊するためになら実はこちらの方が都合がいいのではと決断をしてこれを持ち出してきたのである。

 危険な兵器であればもっと他に用意されているのが中々どうして恐怖ものであろうか。

 それだけ優遇されているともいえるか。もっと他に強い部隊は存在しているのだが優遇を受けている理由というのは他にあるというものだから。

 もう部隊の皆にも面倒が重なっていたらしい。落下している衛星の下方へと回り込んでいきデン!と待ち構えていくことをする。

 一気に加速をしていきマニピュレータを衛星の装甲へと押し当てていった隊長さんである。

「なぁ確認なんだけど、あの中って生体反応って見れたりしないのか」

「できなくはないかもですけれど精度など酷いもので役に立たないでしょうしそれにだ」

「なんだそれにって」

「生体反応なんて通常の機材で量るのは酸素のものですからね。別に魂をとなんていうのはそういう機材を持ちださなければいけないもん」 

 もんじゃないですよ、可愛いかよ全く。艦橋の方でいえばそれなりに慌ただしい様子なのが聞き取れるのだが実際どうしているのかは想像にしかならない。

「じゃあ生きているのがいても外部からでは分からないということか。相変わらずただの人間には難しいな。こらてえへんだ」

「隊長でさえそれならばもう他の誰にもできやしないんじゃ………………というわけでないのがレスティラ王国というものですかね」

 なんて言ってくるものがいるのは隊長にとっては嬉しい限りではあるのだがそれでも自分の力不足を思い知らされてしまう。

 そして最後にどうなったかといえばそれはもう落下に巻き込まれてしまって地上へと叩き落とされていく悲劇の光景であったのだ。

 大気圏を越えていくのでそれはつまり燃え尽きるかというほどの熱量をその身に浴びていくということである。

 コックピットの中身は凄い蒸し暑いのかそれは。うわぁと思わず情けない声を上げてしまい自分が嫌になってくる。

 どうにかして衛星の周囲に付けられた迎撃の武装を破壊することには既に成功しているのでこれ以上の攻撃を受けるはずはない。

 だがそれによってかなりの武装を持っていかれてしまい辛くも身一つしかなくなってしまったのは悔しくはあるのだが。

 だったら艦に戻って補給を受けろという話にもなってくるのだがそんな余裕などないという決断で行動をしていたのである。

 ネアン隊とそれの使っていた高速艇はその後にどうなったのかはしばらくのあいだ知ることのなくひっそりと姿を消していった。


 それが傍から観ていた者にとっては衛星の方はドカーンと爆発したのではなく突如として消失してしまったというのは誰にとっても理解の出来てしまうものであった。

 そして同時期に同様の様子にて姿を消していった存在というのもあったりする。

 クレイ王の暴挙だってその中の一つである。

 力なく途中の壁から蹴り込まれてしまい落下をしていったフィリアというのだっているのだから。

「ゲぼらっさッ⁉」

 ワイヤーを伸ばしていってどうにか自分が出てきた穴へと引っ掛けていく。その先には当然ながらさっきまで戦闘を繰り広げていた怪物がいるのだが。

「あぁあ、残念ながらここでお別れだ。君とはできればもっと永く付き合っていきたかったけれど」

 カットラスを持った方はもう全身をズタズタに引き裂かれてしまっており欠損している部位が目立ってしまっている。

 眼球すら両を失っているため前を向いて少しばかり方向が違うものになってしまっている。

 少しづつではあるが再生の色を見せてはいるがそれでも微々たるものである。

 汗がだらだらと垂れ流されているのには注目が集まるのだが。

「名前すら教えてくれないのか。こっちとしても残念だよ」

 そうフィリアが告げた後に地面が踏みつけられてしまう。そして砕かれていって引っ掛けたワイヤーごと切り離されてしまった。

 騒ぎ立てることもなく自然と離れていったフィリア。それを眼球のない状態で顔を出してきたカットラスを持つ彼の者である。

 それの背を観ながらやってきていた蛇野郎である。シックルをぶら下げながらもゆっくりこっくりない足を引きずりながらも追いついてきていた。

 「………………………………………………どうしたんですか。傷も治っていないのに動いたら痛いでしょうに」

「それはお互い様だろう。あともう少しで強くなりそうだったんだけれどな」

「冗談でなければ相変わらずの狂気だね」

 そして外の綺麗な星空の見える穴からこの二人は高笑いを上げていましたとさ。




 ブルーネオといえばエクスワイアの目の前で異形の怪物への変化の様相を見せてきていた。

 これには流石に怪訝な目を送らずにはいられない。

「どんなことになっているのか。全部ぶっ壊れてしまったらいいのに。そうすれば全部楽に済んでしまうから。だに喰われてしまったその腕から唐傘を射出していって口腔部をズタズタに引き裂いていった。

 それに動じた様子はあれど致命傷にはなっていない様子である。すぐさま腕が引き抜かれていって咆哮を放とうとしていた。

 驚きはしつつも下顎を叩くことでそれを封じていった。だがこの行為すらも越えていくことをされては堪ったものではない。

 顎を支えにしているはずなのにそれに遮られることもなくフィリアの眼前へと向けて飛ばされていた。

「逃がすかよ。あれだけの殺戮をしてなお無傷で済むと思っているのか」

 目の前にいるあの蛇野郎が全身を傷だらけにしながらも既に再生が始まっていることに戦慄を憶えてしまう。

「まさか。それでも出来て命がけの時間稼ぎだけですかね。そうでなくても相手が強いものですからどちらかが終わりを知るまで永遠に続けていてもいいのですけれど」

 カットラスを引き抜いてきた彼は片割れにへと素直に渡す。そしてそれを受け取ったかと思えばすぐさまこちらにへと投げ込んできていた。

「ッ⁉今更どういうつもりでッ」

 飛んできてそれを横にへと薙ぎ払い弾いていく。

「目くらましですよ。君を倒すために全力を以て応えるためにね」

 この言葉を聞いてしまえば背筋を冷ややかなモノにするには十分なものである。危険な者たちであると改めて認識していた。

 そして少しは会話の余裕もあるのではとも思えてくる。なので話しかけてみようかと自然と脚は前へと進んでいた。

「そうか、でもそれでは数の差を負けた理由にしないでもらえたら嬉しいのですが」

「まさか、それをまず劣っている方がいうのはまた違うのではないでしょうか。それとも得意不得意でも出るとでもいうのでしょうか」

 何を馬鹿なという調子で聞いてきていたからにはしっかりと御答えしなければいけないだろう。

「当然でしょう。そしてそれはそちらも同じはずだ。圧倒的な暴力で数を制圧するのは世の常というものだ。だからオイラは君たちをここで終わらせる」

 友達にでも話しかけるように二人の隣にへと並んできていたフィリアである。そして一度唐笠を振っていく。

「今更なんのためにか。面白くもない」

 それが余りにも遅いものだったので瞬時にその場から離れることで無傷で済んでいた。

「であればその分を命がけで付き合ってもらおうか。名前も聞いていないことだし」

 弐本の唐傘を取り出してきてそれを持って目の前にいる怪物な二人へと斬りかかっていった。

「そんなものは」

「当然ながら」

「「あるわけがないッ‼」」

 地面を蹴りあげていき双方全力でぶつかっていった。


 この他にも戦場は数多く存在しているのを忘れてはいけない。

 いくつもの巨大な氷塊が落下しておりそれがもう地上の者達にとっては恐怖となっている。

 ただそれよりも優先すべきものがあったのは流石に信じられないものであったのだが。

 ゴーストリット公国というのがたった一つの衛星兵器によって滅んでしまったのである。

 かつて世界にて暗躍していたとされている国ではあるがそれでも国の一つが焼かれてしまうのは誰も望むことはしていない。

 だというのに国としては決して弱くはないはずなのに一瞬で消し飛んでしまうのというのは異常としかいいようがないというものだ。

 なんだといってもそれを行った兵器というのは破壊するのが吉であろう。それを目指して既に稼働をしておる部隊はいたりする。

「突貫で挑んで頑張っていけば問題ないっていうのですからね。それでこそ戦えばいいのだけれど」

 とはいってもゴーストリットのネアン隊の隊長はそんなことをいってはいるのだがまぁそれを聞いている部下というのはまたかとうんざりしているのなのだが。

「なんだっていいけれど自国を焼かれても感情動かさずに平然としている軍隊はいないってね。出来やしないかもですがそれでも今回はあれを墜とすのがメインでしょうが」

 などといっても気軽にはいってもそれを実現できるのはまた別の話である。それでなければもう一発を、もしかしたら先ほどよりも火力の大きいもので撃たれていくかもしれないという恐怖が昇ってくる。

 ネアン隊にとっても高速艇で以て一気に加速していき謎の衛星へと突撃していくこの作戦ともいえないシンプルなこれは大事なことである。

 考えてでもやるしかないと思っても出来ないことはある。

「ということはまぁあの衛星を一機墜としたレスティラ王国の奴らは強いものだと感心させられるて。どうやったかは送ってもらった情報から読み取れはするけれど」

 艦橋にてその送られてきたという映像を眺めているのが一人いたりする。

 それが何かなんていうのも想像は出来てしまう。ただもうこれは現実として受け入れるのが難しいというだけである。

「無茶が過ぎるて。どうして生きていられるのかただの衛星が」

 蛇として異様な動きを示しているのは爬虫類オタクとして納得できない。こんな歪なモノを生きていると表現していいのかとも思う。

 それでも触手を動かしていっての捕食を可能とするのはもうおかしな非現実を理解させられる。

「まぁどちらを強く思えばそれを相手する方を恐ろしく思えてくるというね。どうなっても異常にね、どうしてもそう想像できてくる」

 そうはいってもなんだってかは知らないが現実としてこれは先ほどまでおこなわれていた光景であるのだ。

 更にいえば正面にいる何かをと思って眺めていたら展開が速いものであると驚いてしまっている。

「………………………………落っこちてくるのは勘弁して欲しいくらいなのですが」

 目の前のすりガラスに映し出されていた光景というのは中々大きな衛星がこの艦をも巻き込んでいくつまりかという風に落下を始めてきていた。

 艦長の席に座っていた彼の者は出撃の指示を出していく。ふざけていなくてもそうであってもこれくらいで仕事の放棄はしない。………………多分。

「あいよ。よく言ってくれた、そうでなくてはな」

 気合を入れてながらも息を吐きながらも真っ先に出撃をしていった隊長さんであるのだ。

「んなことで最初にいくのが隊長って………………………………なんも間違っていなですね。これならちゃんと報連相をしっかりとやって欲しいけれど、それが出来ていければ負けてしまうことなどはないっていうのに」

 そして部隊の他の者達も次々と出撃していっていた。

 突撃してくるのはいったい何かというものであるがやっぱりでかい衛星であるのは変わらない。

 迎撃のための砲台も当然ながらついてきておりそれらも放たれてきているのは明らかに過剰ともいえる戦力ではないだろうか。

 ネアン隊に先行で配備されているメイリオは比較的小さな機体ではあるが今まで出てきた種類と比べてしまえば人型であるのが珍しくもある。

 だがこのような衛星兵器を破壊するためになら実はこちらの方が都合がいいのではと決断をしてこれを持ち出してきたのである。

 危険な兵器であればもっと他に用意されているのが中々どうして恐怖ものであろうか。

 それだけ優遇されているともいえるか。もっと他に強い部隊は存在しているのだが優遇を受けている理由というのは他にあるというものだから。

 もう部隊の皆にも面倒が重なっていたらしい。落下している衛星の下方へと回り込んでいきデン!と待ち構えていくことをする。

 一気に加速をしていきマニピュレータを衛星の装甲へと押し当てていった隊長さんである。

「なぁ確認なんだけど、あの中って生体反応って見れたりしないのか」

「できなくはないかもですけれど精度など酷いもので役に立たないでしょうしそれにだ」

「なんだそれにって」

「生体反応なんて通常の機材で量るのは酸素のものですからね。別に魂をとなんていうのはそういう機材を持ちださなければいけないもん」 

 もんじゃないですよ、可愛いかよ全く。艦橋の方でいえばそれなりに慌ただしい様子なのが聞き取れるのだが実際どうしているのかは想像にしかならない。

「じゃあ生きているのがいても外部からでは分からないということか。相変わらずただの人間には難しいな。こらてえへんだ」

「隊長でさえそれならばもう他の誰にもできやしないんじゃ………………というわけでないのがレスティラ王国というものですかね」

 なんて言ってくるものがいるのは隊長にとっては嬉しい限りではあるのだがそれでも自分の力不足を思い知らされてしまう。

 そして最後にどうなったかといえばそれはもう落下に巻き込まれてしまって地上へと叩き落とされていく悲劇の光景であったのだ。

 大気圏を越えていくのでそれはつまり燃え尽きるかというほどの熱量をその身に浴びていくということである。

 コックピットの中身は凄い蒸し暑いのかそれは。うわぁと思わず情けない声を上げてしまい自分が嫌になってくる。

 どうにかして衛星の周囲に付けられた迎撃の武装を破壊することには既に成功しているのでこれ以上の攻撃を受けるはずはない。

 だがそれによってかなりの武装を持っていかれてしまい辛くも身一つしかなくなってしまったのは悔しくはあるのだが。

 だったら艦に戻って補給を受けろという話にもなってくるのだがそんな余裕などないという決断で行動をしていたのである。

 ネアン隊とそれの使っていた高速艇はその後にどうなったのかはしばらくのあいだ知ることのなくひっそりと姿を消していった。


 それが傍から観ていた者にとっては衛星の方はドカーンと爆発したのではなく突如として消失してしまったというのは誰にとっても理解の出来てしまうものであった。

 そして同時期に同様の様子にて姿を消していった存在というのもあったりする。

 クレイ王の暴挙だってその中の一つである。

 力なく途中の壁から蹴り込まれてしまい落下をしていったフィリアというのだっているのだから。

「ゲぼらっさッ⁉」

 ワイヤーを伸ばしていってどうにか自分が出てきた穴へと引っ掛けていく。その先には当然ながらさっきまで戦闘を繰り広げていた怪物がいるのだが。

「あぁあ、残念ながらここでお別れだ。君とはできればもっと永く付き合っていきたかったけれど」

 カットラスを持った方はもう全身をズタズタに引き裂かれてしまっており欠損している部位が目立ってしまっている。

 眼球すら両を失っているため前を向いて少しばかり方向が違うものになってしまっている。

 少しづつではあるが再生の色を見せてはいるがそれでも微々たるものである。

 汗がだらだらと垂れ流されているのには注目が集まるのだが。

「名前すら教えてくれないのか。こっちとしても残念だよ」

 そうフィリアが告げた後に地面が踏みつけられてしまう。そして砕かれていって引っ掛けたワイヤーごと切り離されてしまった。

 騒ぎ立てることもなく自然と離れていったフィリア。それを眼球のない状態で顔を出してきたカットラスを持つ彼の者である。

 それの背を観ながらやってきていた蛇野郎である。シックルをぶら下げながらもゆっくりこっくりない足を引きずりながらも追いついてきていた。

 「………………………………………………どうしたんですか。傷も治っていないのに動いたら痛いでしょうに」

「それはお互い様だろう。あともう少しで強くなりそうだったんだけれどな」

「冗談でなければ相変わらずの狂気だね」

 そして外の綺麗な星空の見える穴からこの二人は高笑いを上げていましたとさ。




 ブルーネオといえばエクスワイアの目の前で異形の怪物への変化の様相を見せてきていた。

 これには流石に怪訝な目を送らずにはいられない。

『どんなことになっているのか。全部ぶっ壊れてしまったらいいのに。そうすれば全部楽に済んでしまうから。だからとは言えないものか』

「知るか伸るか反るかの全力で以て全てを破壊してしまいそうになる。だというのになぁ‼」

 そこから一気に加速をしていって蹴りを加えていくブルーネオ。その表情を観ればどこか笑っているようにも思える。

『………………?どこまでも機敏に動いてくるとは怖くなる。脚癖の悪いやつだことだな。にしてもどうして急に流暢にしゃべるようになったのか』

「そんなことをいっても仕方のない事象だろう。それに脚癖の悪さでいえばこちらのよりもだ、もっと危険な存在を知ってしまっているので興味はない」

 宇宙の神秘かというほどの速度でバットを振り回していく。そして一気に胸元へと押し付けていっていた。

『無茶苦茶やってくるものだな。全部打ちのめしていくことすら簡単に片付くわけがない。………………………………いつまでも付き合っていられないというはずなのだがどうしてまだここにいるのか聞かせてもらいたい』

「どうだっていいだろうな。どうせ何時からでも貴様らを消し去ることは可能だというのに。だとしてもこれは誰てあっても歓心してしまうほどの熱意をもっているらしいな」

 周囲に散ってしまった氷塊をかき集めてきていたブルーネオである。もうそろそろ決着を着けていくのも悪くはないだろう。

 どうせこの周りにいるのも蹴散らすくらいならさっき言った通りにいつでもできてしまう。撃破だぁ、頑丈な種族であるがゆえに消滅させるなんて不毛なことはやらない主義である。だからならばここで終わらしてしまうのが正解だろう。

「ではいかせてもらおう」

 なとど宣言をして周囲にいた怪物どもを視界へと収めていく。

『どういうつもりでかよッ⁉』

 エクスワイアが叫んだがもう遅い。周辺にへと爆発が巻き起こっていっての蹴散らされてしまったことになった。


 巨大な爆発が止んでくれば当然ながらもそこでは既にブルーネオの姿は隠されてしまった様子である。

 これで大怪我を負ったものだって少なくはない。あまりにも悔しい表情を見せているゲイドの顔が印象に残るものだろう。

『まさかとは思うが普通に考えても逃げたことなんだろう。そうでなくてはやっていけない。現実として我々はボロボロに痛めつけられてしまったからだな。もう少しの威力さえ、エネルギーの制御を出来ていればよかったのだろうが。これでは依然として戦闘が可能な状態で放っていかれたというものなのに』

 それを見てれば横で拳を握っているであろうポロロードが何気に面白く思えてくるが、んなことに構っている余裕がないのも正直なところである。

 にしてもまたあの感覚か。不思議な気分にもなってくる。出来れば勘弁を願ってしまいそうになる。

(全く、世の中の不条理には辛くもなってしまう。どうしてかなんていっても困るだけか)

 とことんにまでふざけているようにしか思えない。地獄みたいな世界だというのをだ、そして自分たちが異常なまでに恵まれているのだと改めて考えさせられるものである。

『それこそだろ今更な。………………帰るぞ、後始末する分を残してだけれど』

 指揮を執っていたゲイドがこの場にいる者達にへと声をかけていった。そうでなくては迅速な行動などできやしない。

「なしてですか。別にゆっくりと落ち着いて動いていけばいいのに。そうでなくてもいつも忙しそうにしているのに」

『別にずっとここにいてもいいのだが。そうは言ってられないのが悲しい現実だ。戦場はあちこち湧いて出てしまう。待ってくれないのだよ』

 ゲイドのその言葉を聞けばまた不思議と気分があがってくる。各地にある戦場などはいうほどそこまで多くの数があるわけでないのに。

 世界大戦などもあってどうにかそれらを収めようと努力をしたはずなのだ。それでなんとか戦争などもう嫌だと思ってくれるようなもので。

 だというのに未だにこのようなことが行われてくれるのは悲惨としかいいようがない。

『まぁどうせ帰還命令というのも来ていることだしね。帰らなければ怒られるというものだ。既に怒っている気もするのが怖いところである』

 なんていって先導をして地上にへと降りようとしていたゲイドである。

 この大気圏が覆っている中を突っ切ってまぁ綺麗に機体を操縦していっていった。

「………………部下より先に戦場を真っ先に立ち去っていくのはいいんですか」

『知らんし。もう勝手にしてくれよ。俺もここに残るのは決めているからな』

 それを聞けばエクスワイアとしては疑問となることは確定であろう。

「どうしてか気になるんだが」

『心配事はあっても確かめるのは簡単じゃない。理解するのが容易いとなればそれこそ感嘆に値するものであるってね』

 そしていなくなったゲイドの代わりにケレンが仕事の割り振りを行っていく。

 割り振りといっても誰をどこの空間に配置というのだが。

 その前にこの場から離れることをしていったエクスワイアである。

「元気でなぁ」

 と一応手を振って地上へと降りていこうとしたエクスワイアであった。

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