世界を揺るがすその前に④
ようやっとの想いで巨大な衛星兵器の前にまでやってきていた。これで満足していたらとっくの昔に懲りていることだろう。
「だから一瞬でカタをつけるしかない。一気に加速していくッ‼」
などと本物の
その中であれば凄い揺れてはいるがそれでも乗っている連中がどうかしているために動じることなく平然としている。
この艦は艦載機の乗るくらいではれば空間を取ってはあるが。それでもどうにもならないくらいの機動をするためにその艦載機は頑丈に括り付けてやった。
高速で真っ先に飛び出していってここまで単身でやってきたのは相手の不意を衝くためにである。
そしてその目論見は成功したようで慌てた様子でこの場に存在している集団が確認できる。
それは衛星兵器から出撃していった戦艦の類であろうか。それともまた別の機械兵器であろうか。
もしくは………………………………………………面倒な兵器でなければいいが。
「そうも言ってられないかッ」
距離がかなり縮まったのを確認して艦載機を出撃させていった。そしてそれらで一気に前進していく。
と思ったらとんでもないものが飛び出してきていたのを理解する。
迎撃して破壊してみせればその爆発の大きさというのがかなり驚くものであった。
(道理で籠っているエネルギーが高いと思ったら)
「これは喰らったら無傷では済まないだろうな。嫌だよなぁ全くもって」
ディストーテッドによる主砲の火力で一気に破壊してしまおうと考えたがまさかこういうのまで詰まっているとは。
びっくり箱の夏祭りかっていうものか。綺麗な花火だなぁ。
などといっていたらミサイルポッドを抱えた機体が飛んできてこちらへと向かってきていた。
そして搭載されたミサイルをディストーテッドへと向けて放っていった。
これを信じられない軌道で躱していっていた。後方からきていたビーム砲を垂直に上がっていくことで正面にきていたものに当ててしまう。同士討ちというのは当たれば面白く感じるものか。
すぐさまエネルギー刃を生やしたものが出現してきている。が、それは腕をガチャンと出現させていって握りつぶしていった。
その際にはオーバーロードによって自爆してきやがった。被害はかなりのモノであったはずだが機械の腕一本で済んだことで頑強さには驚いてしまう。
「流石にこれは面倒なとも思ったが。落ち着いていけばどうにか相手出来そうだなあさねぇ」
一気に加速していって正面にまで出てきていた。これで砲塔の前にまで出てきたがどうにも恐怖というのが湧いてきた。
今更そのようなことを気にするものでもないというのに。
至近距離まで近づいていって全力の主砲で一気にこの多く張られた障壁を打ち破っていった。
主砲で一気にとも思ったがそれでも障壁の全てを破壊し尽くすのみで終わってしまった。本体にまでは届かずでどうやら力不足を感じてしまっていることを自覚する。
「だけれど実体があるのであればもうこっちの仕事ではないってものだよなぁ」
そして遥か上方にて腕を組んで立っている馬鹿野郎の姿があった。
それを確認してすぐさま艦を動かしてその場から離れていくモードゥナである。
『さぁてめえら退いてろって。今からこいつをぶった切ってやるからよおッ‼』
などと思念によって周囲に宣言を行った冥トンであった。
このような名前になった理由なんてのは簡単だ。ゴッドファーザーがそういう趣味であったというだけだ。彼らにとっての髪というのは………………………………あぁ間違えた、紙というのはこれも違うや、神というのはどのような存在であるのかは余人にはわかりはしないものだ。
だからこそなんか分からないものであるならば強いのは当然のことであろう。
「ならばこそ全力で相手していくって決めたんだから」
ここにくるまでに大変な苦労があった。機動力としてはかなり高いものを誇ってはいるがそれでもパイロットにとっては何気に負担が尋常ではないものだ。
「それもただの人間であればの話だが」
そう、ここまでやってきたものに今更人間などはいやしない。肉体から解き放たれたというものである。それかハナから肉体を持っておらずそれを獲得して立っているとか。
(もう幽霊の類だろこれは。まぁ傍から観れば大差ないものではあるが)
そして全力の推力と隠密技術によってどうにか相手の死角を取ることには成功している。
この位置からならどうとでもなるものだ。
エネルギー刃を出現させていて少し落ち着いたリズムをとっていく。
「さてと一気にやりますか」
軽くその場で振って見せていた。それで何かが切れた様子などはなかったが。
「つまらないな。手ごたえがまるでない」
射線上に存在していた衛星兵器の物体が完全に原型を失われてしまっていた。これには満足を得られていって満足である。
「あっけないものだな」
『そういうなって。まず俺らが出張ってきている時点で相当のモノが求められているっていうことだろうっていうことだろうし。それで対処できなければそれこそ』
『あぁシグレイにどうにかして王権でも振って貰うしかないってもらうしかってとこだろうがなぁ』
何とか仲間内であちこち方法を考えているがそれでもどうとでもなるとは思えない気もしてくる。
確かに『GOD』でも対応が難しいとなれば最後の切り札と秘密兵器しての役割が求められている。だがこれでも叶わないとなってしまえばもう勝てやしないというなってしまう。
個人の武勇によって勝敗すら決まってしまうのは大変に近代の戦場によっては難しいものになってしまう。少なくとも健全ではないものであろう。
だからこそだ、さらにそこから王によってその全てがひっくり返ってしまうのはあまりに異常である。
(戦争やっているなら才能によらずに戦力を確保できるのは希望ではあるはずなんだがなぁ。だとしてもできることがよっぽど優れているためにそれを超えてまで用意することが出来やしない)
「暴走の危険があれば自分で制御していった方が楽だと思ってしまうんだよなあ。個人の技量によるのは今でも多かれ少なかれ変わりはしないもんだから」
などといっても考えつかないことが多い。とも思っていたら大変な事態になっていることを確認した。
「なんじゃこりゃ。素人じゃないっていうのに。嫌な予感が当たったと考えていいのか」
そこあったのは衛星兵器の残骸から触手を噴き出していって周囲の金属片を捕食するといった猟奇的な光景であった。
ここからさらに湧いてきた触手というのは周辺にいる自軍の兵ですら食い散らかすことをしていた。
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリという到底肉塊の状態で放つのが異常であると理解させられる音を出して捕食をおこなっていた。
「………………あぁ悲惨な末路じゃねえかとも言いたいが」
実際のところではこの捕食での犠牲者はいないものとして数えられる。何せ向かわせてきた機体というのが全て無人機であったのだから。
これならばどこからこれだけの人員をとかいう必要もないらしい。あってしかるべきであるのは様式美というものだ。
「だからして問題はあってだなッ⁉」
と呟いたところで空間転移の気配を感じ取った。こちらに来るのではなく寧ろ逃げる方のだ。どうにかしてそれを拘束しようとするがあまりにも行動が速すぎる。
処理が間に合わぬ間に転移は完了してしまった様子だった。
だがその後で残ったものというのが大半か。寧ろ何が消え去ってしまったのか分からない状態であった。
というかここからが本気で危ない現状であるかもしれないと考えた。そしてその予感というのはどうやら正しかったことを思い知る。
まさかというか当然であろうが周囲に渦巻くこの触手が一点に集まってきて一つの姿を形成していっていた。
それに対しては必死に妨害を行っていくが攻撃で与える傷よりもこの触手が再生していく速度の方が圧倒的に速いものになっている。
「どうすんだよこんなものをッ⁉」
『叫んでないでとっとと手を動かせっていうものだ。ただでさえ人手が足りないっていうのになぁ』
冥トンが自慢の剣技によって触手を切り刻んでいく。その断片から再生が行われてきたところで口腔部から熱線を放つ。汚物というのは焼却してこそ安心できるというものだ。
実際のところでいえばこの触手というのは一般の人の視点から観てもかなり気持ち悪いと思えるものだ。
何せ白濁した油がギットリと表面に塗りたくられておりそれが現在でも分泌されて乾くことなく保持し続けている。
そして出現するのは不形態の怪物であったか。これはあまりに拍子抜けである。
どれだけの強さを持っているかなんて機械の姿では予想するのが難しい。だがこうして怪物の姿をとってしまえばこちらとしては気後れすることなく戦える。
寧ろだなこれは。
「明らかにこっちの方が気分よくぶちのめせるというものだ。そうだろうお前ら」
『わかっているさね。破壊して潰しての繰り返しだ。ぶっ壊すそうぜ』
『張り切っているところ悪いがこちらとしても懸念があるからいっておくぞ。全員で生き残ることを前提にだ。世界が滅んでも生きてられそうなもんだけれどな』
などと軽い口調で雑談が出来ることには余裕がある。それこそ次の休みに何をしようかなどとそれどころか次の休みなんていつになるのかなどというものであったが。上司が怖くて無茶ぶりばかりというものだからのが大きいか。
とまあそんな雑談をしながら戦闘を行なっている中で奇妙な声が聞こえてくているのを確認できた。
『ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ未だ滅びずかよ。どうしてどうしてあぁあぁあぁあぁそうしてああいえばこれでも壊れていかないのが現実かよお。もうさぁ絶望してくれない現実というのは悲劇というのはどこにだって転がっているものだねぇ。くそったれめ‼』
なんだこいつは。いきなりしゃべりだしたと思えばこれで。
「どこの誰という野郎だよ。せめて目的か名前くらいしゃべってからにしてくれってもんだよ」
『そんなものは誰に聞かせるものでもないだろう‼プルート・オルコットを追いかけて日本までやってきたというのに簡単にあしらわれて人質でも取ってとやったら奴よりも酷い被害を受けてどうするべきかと思ってしまった末に考えたものだ。邪魔をしないでもらおうかってッ』
こいつ何言っているのだろうか。正直いって理解が出来ないものだ。
「他人に迷惑をかけてはいけないと教えて貰わなかったのか。じゃあな」
一気にエネルギー刃を展開させてそれによって向かってきていた触手を切断していく。いともたやすく行えることで思わず自分の腕に感心してしまう。
だがふと周囲を見渡してみれば………………あぁえっと皆無事なようで何よりか。
全身から沸き立つ触手をこうも失ってしまって悔しそうな表情を見せているのがよくわかる。顔なぞ不形態のこれではわかるはずもないのに。
(こうも簡単に済んでしまうのであればこの触手も面倒なだけでかなり弱いのか。だとしても確かな人格を持っている以上は油断などしてはいけないはずだがな)
だといっていても注意を心掛けても油断というのはどうしても発生させてしまうものであろう。
エネルギー刃を発生させていたはずの腕が触手の一振りで破壊されてしまう。
機械の、自分の肉体でなかったために痛みなどは大したものでなく済んでくれた。
でもそれでもこうして不覚を取ったのは事実である。腕の破壊してきた触手は反対側の腕によって握りつぶし開いて平手から放たれる熱線によって焼却処分となった。
「危ないと思ってもまだ戦えるが………………………………あぁ勘弁してほしいなこれは」
思わずこの周囲を這いずり廻る触手に対して嫌悪の視線を向けてしまう。
『そうはいってもこの数だぞ。数っていいるものかもわからないがな』
『こうして触手がワラワラと俺らに襲い掛かっているその一本を数えていけば問題ないんじゃないのか。あまりに多く気持ち悪いもんだから断念してしまいもう嫌だよおぉなぁ』
もうなどといってしまっているプドートであるがその眼は輝いているように見えている。
一気に突進していって切り刻んでいくことを成功したがそこで脚を掴まれてしまった。そして腹へと食い破られてしまって貫かれてしまった。その一瞬で機体を動かすことはもう叶わなくなった。
「でもまだこっちは、中身は生きているからな。馬鹿に出来ないものだよな」
エネルギーで生成した盾を使用してこの触手を防いでみせている。だがそれでもドリルかというほどにギシギシと音を鳴らしてきていた。大気のない宇宙空間だというのに音が鳴っているのはおかしくないかって。手から伝わってくるのだがら仕方のないものでしょうって。
そのエネルギーの盾に破損の予兆が確認できた。そのために一瞬でそれらを蹴り飛ばして灼熱の再現という何気に無茶な魔法を使用して眼前の触手は消滅させていったものだ。
(あっけないななどといってられない。いつ次がやってくるかも分からないのに。弱いからこんな玩具に乗せられているわけで実際にこれを『オルトロス零度』を失ってしまえば相当に辛い戦闘になることだろうっていうのに)
だとしても負ける気はない。一瞬でカタをつけてしまえばいい話だ。
「お前ら動ける準備は出来ているよなぁ」
『当然といいたいところではあるがわざわざそういうということは命がけかよ。乗ってやろうじゃないか』
『生憎とこっちはいつでも動けますから。残念でしたね』
『戦艦が母艦を兼ねるこの異常性というのはよくわかった。私物の持ち込みなんてなくて助かった。どこを壊しても文句は言われまい』
などといってのけたモードゥナである。それを聞いた冥トンがもう不満げな感情を露わにしていたことを忘れはしない。しばらくは。
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