破滅の王と再誕の龍

@sinsinjo

プロローグ

僕の手元には何があったのだろうか。

僕の隣には誰がいたのだろうか。

僕はいったい何を求めるのだろうか。

僕はいったい何を失うことになったのだろうか。

僕が最後に辿り着くのはどこだろうか。


ただ、この現状こそ危険だと警鐘を鳴らす物がいる。

それはいったいどこだ、どこだと探す毎日で、それでも未だに心臓こころを枯らす。

僕はそれを取り戻すことができるのだろうかと不安で押しつぶされることになりそうだ。

僕は願っていることだろう。彼の幸せを。

僕の手の届く範囲などたかがしれているだろう。

それでも僕は欲していると、諦めることはないと信じているから手を伸ばすんだ。

それまで決して僕は倒れることはない。

たしかにここには何かがあったんだ。この空白にはどんなものがあったのだと。

たった一つ、最初からあったわけではないんだ。

簡単に代替がきくものではないと知っているのに。

だからこそ、そこにあるのは偶然ではなく必然なのかと、そう感じてしまった。

僕はいったい何者であっただろうか。

彼が消えてしまった。こんなに近くにいたなんだ。

どうして、どうしてと悲しみに打ちひしがれる僕を彼はどう思うかな。

それでもその事実が変わることはない。

だから足掻くんだ。再び彼に会うために。

僕は彼のようにはなれないだろう。だがそれでも、彼がここにいたということはたしかに覚えている。

彼と共にこの道を歩いていくことを夢見て。

見上げれば雄大な空がそれでもそこに彼はいない。

僕は彼がいなくなってしまったことを認めたくないのかもしれない。僕が認めてしまったら本当に消えていなくなってしまうかもと。

それでも僕はもがき苦しみ必死になって今を生き抜くだけだと信じて。

未来に希望をもちこの空っぽの絶望という胸の痛みを抱いて。

何故こんなことになってしまったのかは、どうしてかはわからないが知らないとはっきりと言える。

もう嘆くのはやめようか。これから僕がしていくことを考えることにしようか。決してこの人生、踏み抜いてしまったと後悔しないために。

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