第9話 太陽を見よ



私は何度も言ってきた


どんなに世間が騒ごうとも

この美しい世界は変わってきたか?


現実の世界では恐ろしい戦いが始まり

それは侵略するものと防衛するものの戦い


数々の死傷者を

まるで生贄のように望む侵略と

死傷者を出しながらも防衛するもの


それで何かが変わったのか?


多くの血が流された以外の事実はどこにあるのか?


未だ世界は全く変わってはいないではないか


路上で肩がぶつかって

意味のない勝敗を決めるのと

どう違うのか?


その為に

一体どれだけの血を流せば良いのか?


そして世界は変わったか?


あなたの目の前にある世界だけは変わってはいない

あなたが生きている世界だけは変わらずにいてほしい

あなただけはこの凄惨な世界から次元を超えて生きていてほしい


この美しい世界は変わらないのだから


大地を美しく染める太陽の光は

死の土地を照らす為にあるのではない


あなたを照らす為に

太陽は生命を照らす為に存在する


どれだけ争っても

世界が変わった証明はなく

歴史だけが意味もなく流れ


この星の命の表現は変わらない


この星の地上にいる小さな馬鹿どもが

世界を変えることができると信じているだけで

この星の真実を変えられたことなど一度もない


太陽の光が変わることなく生命を育てるように

時の流れの中で誰が何を変えられてきたのか?


朝には太陽を見てほしい

変わることのない世界を

夜に輝く月と星を見てほしい


人が何を変えられてきたのか


見てほしい

変わらない世界を

そこで生きていてほしい

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