第2話 風来坊
風が季節の訪れを告げにやって来る
過去の記憶を追いやるように
持ち去って行ってくれる
冬の吹雪は
私の記憶を思い起こさせ
暖炉の前で蹲る私に
苦悩を与えた時もある
春の嵐は
また私の苦悩を持ち去って行ってくれるだろうか
薫風
南より来たりて
殿閣
涼風の如し
私は家の一軒も持たず
風に導かれて
また旅に出るのであろう
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