西「絵、描いてみたんだけど、どう？」

右「どうも何も……上手いわね」

西「ありがとう。上手い下手は置いとくと、どんな感じ？」

右「これは風景画よね？　この花壇は高校のときの通学路で見た覚えがあるわ」

西「そうそう。気付いて貰えた」

右「あとはこれ、水彩、よね？　水彩の淡さが柔らかい雰囲気を出していて、あなたの掴みどころのなさが絵にも出ていると思ったわ」

西「そうなんだ」

右「そうなんだって……感想を求めておいて淡泊ね」

西「いや、実際褒められると照れるね」

右「見せたのは私だけということ？　他の人には見せていないのかしら」

西「東には見せたけど『エモい感じだな。得も言われぬって感じだな絵だけに』って流されたんだよね」

右「あの人は目の前で感想を、と言っても素直に言うような人じゃないでしょう」

西「よくわかってるじゃん。あと絵は尾の前だと思う」

右「突然五十音表上での話をされても困るわ」

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