同棲なんてするもんじゃない⁉︎

猫の集会

同棲してみたら

「んもー、ワタルいい加減にしてよ‼︎なんで

 いっつもうん、うんってさー!そんなんじ

 ゃわかんないよ‼︎」

 

 

 私は、同棲中の彼にイライラしていた。

 何を聞いてもうんうんってさ!

 

 

 同棲ってもっと楽しいのかと思ってたのに。

 ただのお世話みたいじゃん。

 ちっとも楽しくないじゃん‼︎

 やっぱり同棲解消しようかな、、、。

 

 

「紗織…」

「何よ‼︎アホな鳥みたいにうんうん言ってな

 いではっきり言ったらいいじゃん‼︎」

「そっか…なら言わせてもらおっかな……。

 そこ、服しまいなよ。あと掃除機する時隅

 は、細い先端に替えて吸ってよ。あと、オ

 レ本当はご飯薄口が好きなんだ。風呂掃除

 も適当すぎるよ。」

「あ…うん…そうなんだ、わかった。」

 

 結構ワタル言いたい事たまってたんじゃん。

 

 

 ってか、そんな事思ってたなんて知らなか

 ったな…

 

「オレ今日お風呂洗うよ。明日までに洗濯す

 るやつもあるし。」

「あっ、うん。ならお願い。」

 

 

 ガチャ

 

 ふー。なんか疲れたー…。

 

 ってか、ワタル何分お風呂洗うのよ。

 私の倍以上の時間洗ってんじゃん。

 意外と潔癖だったりして…⁉︎

 



 ヘックション‼︎

 あー、なんか寒っ。

 

 

 次の日

 

「ひどい熱じゃん。今日は、寝てな」

「うん。ありがと。」

 

 

 私は風邪をひいた。

 

 クースカクースカ

 

 

 あ〜たくさん寝たら楽になったなー。

 お腹空いたな。

 なんか食べよっかな。

 

 

 ん?

 テーブルにおかゆ⁈

 ワタル…

 料理できんの⁉︎

 

 

 一口パクッ。

 

 ウッソ‼︎

 美味しい。

 

 もしかしてワタル…

 今まで私の美味しくないご飯黙って食べて

 くれてた…⁈

 

 

 しかも朝ごはん自分で作って食べてったん

 だ…

 綺麗に茶碗洗ってあるし。

 

 

 もしかして、今まで私が勝手に率先してや

 ってたから黙って見守っててくれてたんじ

 ゃ…

 

 

 うわー…

 なんか私最低ー……

 ってか、馬鹿みたい…

 

 

 

 

 

 ガチャ

 

「ただいま。」

「あっ、ワタル…」

「どう?調子」

「あっ、うん。もう大丈夫…」

「そっか。ならよかった。今日オレが晩御飯

 作るよ。材料買ってきたからさ。」

「うん。ありがとう。ワタルのおかゆ美味し

 かった。」

「なら、よかった」

 

 

 手を洗い手際よく料理をするワタル。

 

 

 …  …  …

 

 

「もしかして、ワタルって料理上手?」

「料理上手じゃないけど一人暮らし長かった

 からさ。自炊は、慣れてるかな」

「そうだったんだね。なんか今まで私の美味

 しくないご飯食べさせててごめんね。」

「美味しくないわけじゃないよ。一生懸命作

 ってくれてたの知ってるし。掃除もさ。で

 もこれからは、」 

 

 

 コトっ

 

 ワタルは、料理しながらいつのまにか私に

 ホットミルクを用意してくれていた。

 

「あっ、ありがと」

 ホットミルクを置きながらワタルは、こう

 続けた。

 

 

「これからは、きちんと話し合って分担して

 やってこっか」

 

 ニコッ。

 

 ワタル…

 

「うん!そうだね。私ちょっと張り切りすぎ

 てた。で、勝手にイライラしてごめん。」

「ううん。オレも任せすぎてた。ごめん。」

 

 

 それから私達は、家事を分担することにな

 った。

 

 ご飯は、休みの日は二人で。

 平日は、基本私。

 週に一度ワタルの仕事が早い日は、ワタル

 がご飯を作る。

 私が残業の時は、お互い適当に好きなのを

 買って適当に食べよって事になった。

 

 

 掃除は、私の方が早く帰るから私がやる。

 お風呂掃除は、ワタルがお風呂上がりにそ

 のまま洗ってくれる。

 休みの日はそれとなく勝手にお互いテキパ

 キと進んで掃除しだす。

 でも、どうしても二人ともやりたくないっ

 て被った掃除は、じゃんけんで決めている。

 

 

 二人で分担すると、あっという間に掃除が

 終わり二人の時間が増える。

 

 

 はじめからそうしとけばよかったな。

 

 今は、お互い言いたい事をきちんと言うよ

 うになった。

 でも、言い方には気をつけている。

 同じ事でも、強い口調で言うのと優しく言

 うのじゃ全然感じが違ってくるから、そこ

 だけは、気をつけている。

 

 

 例えば

「これやってないじゃん‼︎」

 じゃなくて

「これしまっといてくれると助かるなぁ」

 なんて言ったり、

 些細な事にもありがとうを言うように心が

 けている。

 笑顔もね。

 

 黙ってたらわかんないもんね。

 

 

 ワタルとの関係が壊れる前に気づけてよか

 った。

 

 

「ワタル。掃除終わったら映画行かない?」

「うん!あの映画今日公開だもんな。」

「うんっ‼︎」

 

 同棲なんてつまんないって思ったけど今は、

 そうじゃない。

 

 大好きな人と一緒に過ごせる楽しさ。

 一緒に出かけて同じ場所に帰る。

 

 

 たまに旅行にも出かける。

 運転は、ワタルがしてくれる。

 私は、運転に自信がない…

 

 だから、旅行から帰ると夜足のマッサージ

 のお礼をする。

 意外と運転って足が疲れるもんだ。

 

 運転を変われないささやかなお礼だ。

 

 

 

 

 

「ワタル、大好き」

「うん。オレも大好きだよ」

 

 

 こんな生活がずっと続くといいな。

 

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