アライさんvsカニ

てんてん

アライさんvsカニ

アライさんはいつものようにうどんの材料を買いに商店街に来ていた。


「今日の星占いは2位だったのだ!きっといい買い物ができるに違いないのだ!」


ごきげんなアライさんは両手を大きく振りながらクソ楽しそうに歩いていた。

その時だった、視界の端から赤い物体がアライさん目掛けて飛び出してきたのだ。アライさんは間一髪、バックステップで回避した。


「チッ、外したか」


「な、お前は!何者なのだ!!」


目をやるとそこには目が痛くなるほどに真っ赤なカニが立っていた。しかもハサミにはクッソ鋭いナイフが挟まれていた。凶器持ちの恐ろしいカニだった。


「俺はカニ!ジャパリパーク最強を目指すカニだ!この辺にアライさんとかいう最強のフレンズがいると聞いてバトルしに来てやったぜ。」


「カニなんて頼んでないのだ!それにバトルなんて、ジャパリパークに相応しくない事したくないのだ!アライさんは平和主義だからお引き取り願うのだ!」


「いや、戦ってもらう。このジャパリパークを人質になぁ!」


そう言うとカニの周りから禍々しいフェロモンが溢れ出し、たちまちジャパリパーク全土を飲みこんだ!


「こいつはカニ毒だ!長時間吸い続けるとフレンズだろうがセルリアンだろうが人間だろうがアライさんだろうがみんなカニになっちまうんだ!俺を倒せば毒は消える。さぁ、どうする?アライさん!」


「ぐぬぬ、なんて邪悪なカニなのだ...パークの危機は見過ごせないのだ。カニ!お前を退治してやるのだ!」


「カニ如きにジャパリパークを潰されてはたまらない、みんなが守ってきたパークをカニになんてされてたまるか!」


そう言うとアライさんはカニの方向に手をかざした。するとアライさんの手の平に大量の水が集まってきた。

アライさんは水属性なので水を操る能力を持っている。そして、あのセイリュウにも匹敵する水を操ることのできる最強のフレンズだ。


「アライさんスーパーアビススプラッシュ!」


ウォーターカッターと化した水流がカニ目掛けて一直線、カニ味噌ぶち撒けてお陀仏する...ハズだった...


「なかなかいい火力だ、だが甘い!カニ奥義!竜巻斬撃波!」


カニは高速で回転し水流を切り裂いた。

カニもまた最強、そう簡単に決着は付かない。


「お前、カニのくせになかなかやるのだ。気に入ったから極上のカニ汁にしてやるのだ」


「やってみろ!俺はアライさんを倒してジャパリパークの最強になるんだよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


そこからの戦いは壮絶だった。

アライさんの水流で商店街の建物は微塵切りにされるしカニの斬撃で街のシンボルの電波塔が綺麗な断面で切られてしまった。

二人の戦いを止めに来たセルリアンもバトルを止めに入ったが爆散。通りがかりのクソ強フレンズのスザクさんと武闘派探検隊さんも見てることしかできなかった。

気がつくと夕方になっていた。


「ハァ ハァ

ハァ ハァ」


「ハァ ハァ

ハァ ハァ」


「お前、カニ毒はどうしたのだ?パークを人質に取るんじゃなかったのだ?ハァハァ」


「そんなものもあったな、戦いが楽しくて忘れていたぜ。ハァハァブクブク」


「ハァハァ、お前、そんなこと言ってるけど。魔力も気力も尽きかけているのだ」


「それはお互い様だろう、まだ続けるか?」


「ウッス、と言いたいとこなのだが。お腹が空いて来たのだ。パークの危機でもないし帰っていいのだ?」


「そうだな、今日のところは引き分けで勘弁しといてやるぜ。」


「帰ったらメガジャパリまんでも食べようかな」


こうして今回はシュワちゃんの力を借りずにカニ騒動は幕を閉じた。幸いカニ化したのは一部のセルリアンだけで人間とフレンズはカニになっていなかった。良かったのだ。


〜1時間〜

「フェネック!新しいうどんなのだ!鴨ネギうどん大盛りヤサイマシニンニク抜きなのだ!」


「アライさんのうどんいい匂い最高尊い綺麗爆発するくらい美味しいね〜うん、美味しい!」


「それは良かったのだ!天ぷらもあるからどうぞなのだ」


「アライさん神すぎるよ〜じゃあいただくね...うまああああああああああああああああああああああああああああああああああい!」


今日もジャパリパークは平和なのだ。

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アライさんvsカニ てんてん @shirobuta_akys

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