第12話 別れ12p

 季夜が死ぬ何て事ある訳ない。

「ありがとう、住原。約束な」

 季夜が小指を差し出した。

「何だよそれ」

 俺が訊くと、季夜は「約束。破ったら針千本な」と言った。

 俺は仕方なく季夜と小指を絡ませる。

「指切った」

 そう言うと季夜は俺から指を離し笑った。

 風が吹く。

「寒いな」と季夜。

「ビーサンなんかでいるからだよ」と俺。

「そりゃそうだ。何処か入ろうぜ、住原」

「ああ。飯でも食おうぜ」と言って、俺は走り出す。

「急に何だよ!」と季夜が俺に向かって叫ぶ。

「ビリの方が飯を奢る!」

 俺の発言に季夜が慌てて走り出した。

 季夜は、あっという間に追い付いて俺を抜かしていく。




 それから俺達は、占いの話は一切せずに飯を食ってゲームセンターに行って、ぐだぐだと夜まで笑って遊んで過ごして別れた。

 帰り道、一人暮らしのアパートへ向かう途中、スマートフォンからチャットで季夜からの連絡があった。


 また明日、大学でな。


 そうメッセージがあった。

 俺は、おう! とメッセージの返信を送った。

 また明日。

 明日はどんな一日になるんだろう。

 季夜と二人、どんな風に過ごすんだろう。

 まあ、どうせ下らない話をして過ごすんだろう。

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