第4話 別れ4p

 俺も季夜も顔を見合せてから黙って勧められた椅子に座る。

 テーブルの上には水晶玉やらカードやらが載っていた。

 それを見て俺は改めて、ああ、占いに来たんだな、と実感した。

 休日に男二人で占いに行くとか、どうなってるんだ?

 とか自己責任ながらに思ってしまう。

「どちらから占いましょうか」

 言われて俺は手を上げた。

 こういうのは先に済ませるに限る。

 占い師は俺に向かって微笑むと、「じゃあ、あなたから。あなた、お名前は?」と訊いて来た。

「住原大です」

 俺は、やや緊張した声で答える。

「住原大さんね。えーっと……」

 占い師は、手に俺が受付で書く様にと手渡されて書いたプロフィールの用紙を持って、それを真剣な眼差しで眺める。

 その真剣な様子を見ていたら緊張からなのか俺の顔が突っ張って来た。

 俺は背筋を伸ばす。

 占い師は顔を上げ、「あなたの運命は良く分かりました。住原さん、今、悩みごとはありますか」と言う。

「あー、はい。あの、最近、何だかツイて無くって。どうしたもんかなと悩んでますね」

 ぼそりとそう言うと、隣で訊いていた季夜が、「そんな悩みかよ」とくすりと笑った。

 くそ、ほっとけ。

 笑っている季夜とは対照的に占い師は真面目な目つきで俺を見ている。

 流石はプロだ。

「運の悩みですね。では、カードで占ってみましょう」

 そう言うと占い師はテーブルの上に裏返しになっているカードを両手でバラバラにかき混ぜた。

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