九尾と青年のお話(仮)
@blueJ
ぷろろーぐ 玉藻の前、誰かの頭がぶつかる
「……本当の化け物は貴様らだ……」
「ha‼妖怪の血を引いてるくせに何が俺たちが化け物だ。」
丑三つ時の森、腹に血の染みを作った青年が猟銃をもった猟師を睨みつけ対峙する。
青年は身長ほどの長さの刀(流石にあの銀髪ストーカーの刀ほどの長さは無いようだ)
を持ち、Tシャツとジーンズをはいている。髪はぼさぼさだ。
息は絶え絶え、まともな戦いはできそうにない…
「あの狸を殺せば報奨金が出るんだ…ふふふ」
あたりには血生臭いにおいが…いや、本当に血が飛び散っているのだが、そこには着物を着た狸が倒れている。息は無いようだ。
「お兄ちゃん!!」
「馬鹿ッ、出るな!!」
木の幹の陰から着物を着た狸の子供が飛び出る。
「もらった!!」
猟師はそう叫ぶと銃を狸に向ける。
バキューン!
狸の目の前に青年が立っていた。
「に・・・げろ・・・」
狸はその言葉を聞くと一目散に走りだす。
「待ちやがれ!…? ちっ、弾切れかっ!」
猟師の目線は完全に狸にくぎ付けで、青年のことなど見えていなかった。
青年は誰の目にも留まらずに、倒れたのだった。
―いだっ!…なんじゃ?ほほう、人の子か…うまそうじゃのお―
―は?―
目の前に金髪の美人が立ってるんですが?
しかし自分が死にかけだということを思い出しこれは幻だと判断する。
そして俺は目をつぶr…
「たわけっ!!ちゃんと話を聞けっ」
ばちこーん!!
―いだっ―
どうやら幻では無いようだ。
俺はこれまでのことを思い出す…
あの狸はどうなった⁉
「ほほう、何か狸のことを考えているようじゃのう、なんか話を中断させられた気がするが…」
―こいつ、俺の考えてること当てやがった!!―
「まあ、千年生きとるからのう…貴様、何か急いどるな?なんじゃ、言ってみい?」
―なんでもいいんですか?―
もうここまで来て諦めるつもりなど無い。
「なんでもいいぞ。まあ、その後わらわに食われてもらうのじゃが」
食べられてもいい…俺は…‼
「そうか、長期にわたるが、よかろう。それが終ったらしっかり食われてもらうぞ」
―ああ―
その瞬間俺の体から痛みが引いてゆき、俺の意識は…zzz
「へへっ、狸くーん!出ておいでー!いいものあげるよー!お、こんなところにいたんだー!」
狸は腰を抜かし動けない。
猟師は狸に銃を向け…
がきぃぃん!
「⁉」
「結界、じゃよ」
狸の目の前には金髪の、しかし人にない特徴がある少女が立っていた。
「ああん?ぶっ殺してy…」
血しぶきが広がる。
狸は気絶しているようだ。そして猟師は…
「不味いのう…」
金髪の人にない特徴をもった少女の口は、まるで何かを食べるかのように口を動かしていた・・・
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