誰にも言えない秘密がある。

第1話 きょうのわたし。

私はスイ。17歳。ひとりっ子。

最近家族に対して抱く感情が変わってきていることを、自分でも自覚していた。

小学生の時に、両親が離婚。それから母と2人で生きてきた。

正直、父と母と3人で過ごした生活は何も覚えていない。今になっては、想像もつかない。自由にのびのびと育ったひとりっ子の父、長女として真面目に固く生きてきた母。考えれば考えるほど、なぜその2人が結婚できたのかよくわからない。肉親の親が離婚して、納得している自分がいた。

そして、

離婚の本当の理由を私は知らない。

そして、

離婚した時は、2年後に事実を知った。

私だけだった。

親戚でただ1人、知らなかったのは。

だが、そんなことはどうでも良かった。

父よりも母よりも私が1番冷静だった。

事後報告されて湧いてきた感情が、悲しさや寂しさよりも、呆れと悔しさだった。