第18話にゃん太郎の憂鬱《ゆううつ》 ②

【にゃん太郎side 】


俺は、この地域のボス猫だ ! 名前は にゃん太郎

数日前の戦闘で少々無理をしたので、ダラダラと過ごしていたんだが………



「 大変だ ! 大変だ ! にゃん太郎親分、相談にのってくれ ! 」

転がるように走りながら、コロッケがやって来た………転がった方が速そうだと思ったのは内緒だ。


「 おい おい、ダイエットなら俺よりウッシー 辺りに聞いてくれよ 」

俺が言うと、


「 違うワイ !………違うよ、にゃん太郎親分。

実は、ウチの姉ちゃん 洋子ちゃんが、怒って 俺を『 去勢きょせい』すると言いだしたんだよ !

ようやく『 ハーレム王 』に成ったのに去勢されたら意味が無いよ ! 」



ハーレム王って、お前コロッケ………彼処猫カフェ雌猫女の子達に良いように利用されているだけだろう。


「 しばらくは『猫カフェ』に通うのを止めて 大人しくしておくんだな………もちろん、『ナンパ』や 『ケンカ 』なんて もってのほかだからな ! 」


「 えっーー ! 俺が行かないと雌猫ハニーたちが寂しがる と思うんだけどなぁー 。 それに、俺がケンカを支度したくなくても 向こうからケンカを吹っ掛ける場合はどうするんだよ ! 」


………全く、コイツコロッケ事態じたい深刻しんこくさを判っていないな !



「 俺のアドバイスを聞けないのなら、美容院『ビューティフル・ドリーム』の『 イッコー 』みたいな『オネエ 』に成るんだな ! 」


「 いっ 嫌だぁーーー ! オネエは嫌だよ、親分 ! にゃん太郎親分の言う通りに、しばらく 大人しくしておくよ ! 」


太った身体をゴロゴロ転がりながら悔しがるコロッケに、


「 『 猫カフェ 』に通うのも駄目だぞ ! うわさに成っているぞ、『お前コロッケ雌猫女の子達にみついでいる』

と、弥七の子分の『ハチベエ 』が あちこちで噂をばらいていたぞ ! 」


「 ハチベエの野郎 ! 俺は貢いでいる訳では無くて、雌猫女の子たちに プレゼントしているだけなんだよ ! 」


「 ………それを『貢いでいる』と、云うんだよ !

後、お前コロッケの処の姉ちゃん洋子ちゃんが怒っているのは、お前が 勝手にオヤツを盗んでいるのも原因なんだと思うぞ ! 」


「 わっ 判ったよ ! 判ったから怒らないでくれよ、にゃん太郎親分

あ~あっ、特に シーマちゃん や ライラちゃん とは 良い感じに成っていたのなぁ~~ ! 」



俺達のやり取りを見聞きしていた、ウッシー や オコゲ と ガンモが 笑い転げていた。



オコゲの奴、もう いつ生まれてもおかしくないのに大丈夫かよ !

そう、思っていたら


「 ちょっと、オコゲ ! 赤ちゃん猫が生まれそうに成っているわよ ! 」

ウッシーの言葉に反応したオコゲが、


「 あら、大変 ! 急いで私の部屋に戻るわね 」

と、言いながら おっちゃんが作った小屋に戻って行った。


「 まったく、オコゲったら妊婦の自覚が無いんだから困ったもんだわ ! 」

と、ウッシーは言うが、………


さっきまでお前ウッシー オコゲやガンモと一緒に笑い転げていただろう !



俺に名前は にゃん太郎。 愉快な仲間に囲まれているボス猫だ。

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