第2話 彼女は、、、
彼女は俺の目の前に立っていた。するとボソッと
「放課後屋上に来て」
と呟いた。すごい緊張してしまい、返事をすることができなかった。しかし、何故僕なんかが呼ばれたのだろうか。そして放課後
「ええっと亞宮さん?何のようで」
「とぼけないでよっ‼︎」
「ふぇっ⁉︎」
僕は謎に怒られてしまった。何か気に触ることでも言ったかなーと思いつつ次の会話に悩んでいたら、
「あんた、忘れてんじゃないでしょうね。『今度会いに行く。』って私言ったじゃない。覚えていないの?」
え、、、僕は亞宮と知り合い?特にそんな友達はいた覚えがないのだが。いや、1人いる。な訳ないかと思いつつ、もう一度彼女の顔を見る。一致している。もしかして
「笹原愛香‼︎‼︎‼︎」
「正解〜w」
マジか、、、ショックで驚きが隠せない。まさか僕の初恋がこの人に取られるなんて。
何と亞宮は僕の幼馴染だったのだ!
元々家が隣だった彼女はよく僕と話したりしてた。しかし両親が交通事故で亡くなってしまい田舎の祖母の家に引っ越してしまった。
その頃は今とは逆で彼女の周りに人はいなく、僕の周りに皆が集まっていたせいか、慰めたりする人はいなかった。だから僕が声をかけるべきだった。しかし出来なかった。何も言えないで彼女は去りかけた。でも祖母の車に乗った時僕は勇気を出して
「絶対愛香と再会する。僕が忘れたらそっちから来いよー!」
と言った。まさかこのことまで覚えているなんて、と思った。自分がそんな妄想をしていると
「楓は皆の人気者だったよね。だからそれに追いつきたくて私頑張ったんだ。芸能界で今、アイドルやってるの。かなり人気なんだ。それで今回会いに来たのはお願いがあるから。」
「お願い?」
「うん。楓めっちゃ頭いいでしょ?私も人よりは少し良いけどそれじゃダメなの。ミラ女は今自分達で設立した事務所で頑張ってる。でも運営があんまり上手くいかなくって。それで何だけど、、、」
「なに?」
「私たちのマネージャー兼社長になってほしいの!」
「マジすか‼︎」
冗談じゃない、と言いたかったけれど彼女は真面目な表情のままだった。確かに自分には会社運営をしてみたいという野望はある。しかしまだ考え途中なのでしかもミラ女、トップアイドルなんて大丈夫だろうか。でも、愛香の本気には応えたい。
「いいよ。その任務引き受けた。」
「マジ⁉︎やったー。ありがとうっ」
風になびく黒髪をふと僕は見つめた。やはり亞宮は美しいのだろうなと思った。この時、心臓が高鳴っていたことを僕はまだ知らない。
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