妖精王とのお茶会、食事はお気に召されましたか?

BBやっこ

第1話 幻想的なお茶会を

『ふわふわのが、イイ』


「そう、ふわふわ。」


今回いらっしゃる妖精王様。その眷属の妖精に聞いた答えを聞いた彼女はミルクのホイップに、カラフルな粒を思い浮かべている。


「しゅわしゅわの炭酸は、そんなにふわふわしていないわ。」

アイスクリームを乗せる案は置いといて。綿菓子に、柔らかいクリーム。


「プリンは、プルプルよね。」


ふわふわなら、苺のムースを用意する事にした。ふるりと揺れ、口に含めば溶けるようにジュワッと溶ける。薄いピンク色の甘酸っぱい味を喜んでもらえるだろう。


「食器は、青空のような色。」


カップは口の広い、少し平たいものを。

「持ちにくいかしら?」


彼女自身は小さくても、魔法で大きな物を浮かせられる。


光が弾ける一口大の雲。ふわふわの綿飴は味の変わる飴を塗して。

メレンのお菓子、シュークリーム、生チョコレート。それぞれ小さく色々試せるように。


妖精が庭の四阿に花びら散らす。晴天の気持ちの良いお天気になったのは妖精のおかげ?


ふわふわの座り心地のソファ、妖精王様と恐れ多いけど。

隣同士に座って甘いお茶会を始める。彼女のはしゃいだ声が、庭にいる妖精も元気にした。


「庭の花々がいつもより喜んでいるようで、綺麗ですわ。」


『自然をほめれば、妖精が喜ぶ。』

「妖精王様もですか?」


『そうだ。妾も自然の一部であった。今はただいっときこの形であるだけ。』


「また貴方様とお茶を楽しめるでしょうか?」


『フフッ確かに妾のこの姿は泡沫のようなもの。しかし、人の生の短さとは比較にならん。』


お菓子だけじゃ飽きてしまうかもしれないと王宮が用意した『妖精王様に捧ぐ旬のフルーツサラダ』は甘い野菜がシャキッと美味しい。


フリフリ野菜、ジュワッと消える白い野菜のムース。酸味の強いサファイアベリーアクセントが味を、ジュレの透明色が全体を包み込む。


「星を雲に閉じ込めたみたい。」

『おや、空を食べるとは太古の魔物のような事をするのだな?』


妖精王様の昔話は壮大で、眠れなくなる寝物語のようだった。


口の中は、さっぱりスッキリ。さすが王宮の料理人のレシピでこうなればまた、お菓子を楽しめる。


永遠に生きるとも言われる妖精王達との交流に、食事にお菓子とお茶は欠かせない。


このもてなしによって、妖精王が訪れその軌跡に国が栄える。その思惑を置いておいても、お茶会は廻る。


自然は巡るように、止まることはなくてもそのひと刻を楽しむことはできるとこの時間は証明していると思う。

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