第142話 新たな力

 一通り話が終わった後、俺は興奮した頭を冷やすべく、廊下に出た。


(しかし、ビックリしたな……ギアス荒地が昔は聖域で、しかもクロードさん達の一族と獣人達が守っていた場所だったなんてな)


 まあ、驚くべき話が明らかになったが、とりあえず今やることは大きくは変わらない。大地の裂け目に行くためには今までみたいに拠点を作っていくしかないのだ。


(まあ、大地の裂け目に行かなくちゃいけない理由が増えたという感じだな)


 ネアの仲間(?)やクロードさんの一族が封じられた水晶の確保、どちらも大地の裂け目に行けば何とかなるかもしれない。


(まあ、簡単ではないだろうけど、方法が分かっただけマシだな)


 ちなみに聖域の復活についてはクロードさんに当てがあるらしい。しかも、この話をした後、グレゴリーさん達にクロードさんが龍人であることを明かすと、全員が熱狂し、聖域の復活に全面的に協力すると言い出したのだ。


(元々この地に残った獣人達は聖域の復活を夢見、望んでいるって言ってたし、今後協力してくれる獣人達が増える可能性があるな)


 何でも岩塩を採るのも塩が撒かれて植物が育たなくなったギアス荒地を復活させたいという気持ちの現れらしい。


(……だけど、一つ問題があるな)


 そう。一つ問題がある。それは……


(魔将星と戦うことになるかも知れない……)


 聖域であったギアス荒地を破壊し、さらにはクロードさんの一族を封印……一体何の目的でそんなことをしたのかは分からないが、俺達の行動と相反するのは確か。そうなると、一線交える可能性を考えざるを得ない。


(……もっと強くならないと)


 俺はステータスを開いた。



◆◆◆


フェイ<パラディンロード>

Lv  101

Hp  180146

Mp  14515

Str  5508

Vit  6003

Int   5206

Mnd  6604

Dex  5207

Agi   5307

luk 5805

スキル

〔グランドクロス〕

〔クロスフラッシュ〕

〔デュアシールドアタック〕

〔デュアカバーガード〕

〔励声叱咤〕

〔デュアシールドカウンター〕

〔ホーリーライト〕

〔サランストリーム〕

〔ターンアンデッドクロス〕

〔クルセイダー〕

〔ピュアヒール〕

〔ピュアフレッシュ〕

〔ピュアリザレクション〕

〔サランウォール〕

〔守護者の心得〕

〔奇跡の聖印〕new!

〔アンデッド超特効〕

〔聖属性攻撃超強化〕

〔近接攻撃超強化〕

〔盾防御超強化〕

〔回復魔法強化:特大〕

〔白鯨の加護〕


スロット

1〔アイテムボックス+〕 

2〔超鑑定〕

3〔オートアイテム〕


◆◆◆



 ちなみに新スキルの効果は……



◆◆◆


〔奇跡の聖印〕

  剣で攻撃したり、盾で防御する度にHpが回 

 復する。Hpが減少していない場合はStr、

 Vit、Int、Mnd、Dex、Agi、luk の何れかにバ 

 フがかかる。


◆◆◆



 (Lvは上がったし、新しいスキルも凄いんけど……)


 思い出すのは、聖獣メルヴィルを助けようとした時の魔将星の分身のようや存在との戦いだ。あの時は聖獣メルヴィルから授かったスキルで押し切れたが、本体があれより弱いはずがない……というより強いに決まってる。


(……今のままでは心許ないな)


 一応切り札はある。だが、だからといって安心は出来ない。正直、今のままでは切り札を使っても時間稼ぎ程度のことしか出来ない気が……


“らしくないのう、マスター”


 ん、ネアか?


“強い敵がいるなら、マスターはそれ以上に強くなれば良かろうに”


 これ以上強く……まあそうだが。


(何かいいアイデアがあるのか?)


“勿論、修業は要るがの”


 強くなれるならどんな修業でもやってやる!


(ん……でも、何でネアが協力してくれるんだ?)


 ネアは敵……ではないかもしれないが、味方がどうかはよく分からない。敵ではないから協力してくれるというのは……有り得るのか?


“大した理由はないぞ。単にその方が面白そうじゃかじゃ”


 面白そう……?


“妾には記憶というものがあまりない。じゃから、自分が楽しい、もっと知りたいと思うものこそが最優先なのじゃ。マスターやミア、他の仲間との日常に勝る娯楽はないのでな。それが無くなるのは我慢ならん”


 ご、娯楽……


(けど、確かにネアは生まれたばかりってことになるし、記憶はほとんどない……か)


 何せつい数ヶ月前に誕生したきりだもんな。


“それに聞いていると、魔将星などという輩の所業、目に余る。世界が痛むことを全く気にしてるようには思えんのじゃからな”


 世界が痛む……確かにマナを循環させる聖域を壊せばそうなるな。


(まあ、ネアなりに魔将星に対して怒りを持ってるってことか)


 ちょっと突っ込みたい箇所はあるが、まあいいか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る