目覚めれば、そこは未来の地球だった

平行宇宙

第1話

 ツンツン、ツンツン・・・

 誰かが頬をつついている。

 なんだよ、人がせっかく寝てるのに。

 僕は、うっとうしいなぁ、と、目も開けずにその手を払う。

 もうちょっと寝かせてくれ。


 ツンツン、ツンツン・・・


 あぁ、もう!

 しばらくして、また始まったツンツン攻撃。

 こんどは頬と言わず、額から、鼻の頭、首、胸・・とドンドン下に降りて行って・・・


 ?


 下へ?


 おいちょっと待て!

 それ以上は!


 もう少しでツンツンが、僕の大事なところにせまってることに気づき、慌てて手を払って、上体を起こした。


 ゴツン!


 いったぁー!!

 目から花火が散る!


 起こした勢いのまま、頭がゴチン、と何か硬い物にぶつかったんだ。


 「きゃっ!」


 たぶんぶつかった相手だろう、女の子の小さい悲鳴が聞こえ・・・・え?女の子?

 なんで?

 僕の知り合いに寝込みを襲う女の子なんていない、よな?

 すっかり目が覚めて、僕の腹の上で頭を抱えているその子を見る。

 うん、腹の上にまたがってる。

 って、「えええええ!!!!」


 思わず叫んだ。




 「うるさい。」


 腹の上の女の子。

 僕と同じ、高校生ぐらい?

 見たことない子が、キッと僕を睨んでいた。


 誰だ?



 「生きてる。」

 その女の子は、立ちあがって、僕をまたいだままの姿で、感想なのか質問なのか、そんなふうに感情のない声で、言った。


 「え?」

 「あんた、誰?」

 「・・・いやいやいやいや、誰って、人の部屋に勝手に入ってきて、それはないよね。てか、あんたこそ誰だよ。」

 その女の子は眉をしかめると、周りを見回して言った。

 「ここが、あんたの部屋だって?」

 そりゃそうだろ。なんたって僕はここで寝てたんだから。

 そう思いつつ、彼女と同じように部屋を見回して、固まった。

 部屋だって?これのどこが?

 いったいここはどこだ?


 僕は、ゾッとしてブルッと身体を震わせた。

 寒い。

 そう思って自分の身体を抱きしめる。

 ん?

 素肌の感触・・・・

 って、えええええ!!!!


 この短期間で何度目かの雄叫びを上げてしまったよ。


 僕は裸、だった。


 

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