返金-13
一川警部と飲みにケーションをした後、長四郎はそのまま調査するのではなく、これからの作戦を立てようと事務所に戻るところであった。
事務所のビルが見えたところ、事務所に灯りが点いていた。
長四郎は誰が来ているのかを察し、身体を反転させ事務所近くの漫画喫茶へと移動した。
好きな漫画を手に取り、指定された個室に入り長四郎は身体を寝かせて持ってきた漫画を読み始める。
読み始めたら、止まらないもので気づいたら二時間近く立っていた。
「ああ、もうこんな時間か」
長四郎が目の前にあるパソコンで時間を確認すると、午前12時を示していた。
大きな欠伸をしながら身体を伸ばし、漫画を戻しに行くついでにシャワー室へと行きシャワーを浴びる。
シャワーを浴びながら、長四郎はアンダーカバーの警察官が奈緒の知り合いではないのか、そう考え始めていた。
シャワーを浴び、汗を流しスッキリしたといった感じで、個室に戻りそのまま眠りについた。
「あ~ 全然眠れなかった」
そう言いながら、身体を起こした長四郎。
パソコンの時計は午前8時示していた。
「ふわぁ~お」とこれまた奇妙な欠伸をし、個室を出て会計を済ました長四郎はピシャリが住んでいているマンションへと向けてバイクを走らせた。
マンションのエントランスがよく見え、身を隠せる場所を見つけた長四郎は暑さ対策をしながら張り込みを開始した。
長四郎は一川警部から貰ったアンダーカバーの警官の写真を見ながら、変装していそうな格好をイメージしていた。
だが、ピンとくるイメージが湧かず、ピシャリの動画に映っていないのか。退屈凌ぎにピシャリの動画を見る。
そこから、一時間が経過した。
「うん?」
動画の中に一瞬、アンダーカバーの警官の姿が映ったのを確認した長四郎はスロー再生にし、変装した姿を再度、確認しようとした瞬間、マンションのエントランスにサングラスとマスクをつけ変装したピシャリの姿が見えた。
「Shit!!(訳:クソっ!!)」
長四郎はスマホをズボンのポケットにしまい、ピシャリの様子を伺う。
ピシャリはエントランスでスマホと睨めっこし、かと思えば電話しながら電子タバコふかし電話の向こうの相手を怒鳴りつけているのが見えた。
「マナーを守れ。マナーを」
長四郎はその様子を写真に納める。それとエントラスに書いてある禁煙の貼り紙も一緒に。
昨夜、ピシャリを乗せていたワンボックスカーがマンションの前に止まった。
「お出かけか」長四郎はエンジンをかけ、尾行する準備を始める。
ピシャリを乗せてすぐにワンボックスカーは走り始めた。
長四郎は適度な距離を保ちながら、尾行を続ける。
ピシャリは銀座に行き、そこで撮影するようであった。
長四郎はピシャリを囲む撮影隊の中にアンダーカバーの警官が居ないかを確認するがその姿は見えない代わりに例の会社で襲ってきた一人、菜済を見つけた。
「あいつ、あの会社に居たよな・・・・・・」
スマホのカメラを菜済に向けて写真を撮り、一川警部に前科者紹介を依頼するのだった。
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