展示-5
「被害者は相当、厄介者だったと言うことが判明したけど何か閃きました?」
絢巡査長は長四郎に質問した。
「閃かないでしょ。まぁ、犯人は被害者の坂本さんを相当恨んでいたってことは分かるんじゃない?」
「そのお兄さんの言う通りだよ」
しゃがれた声が聞こえたので、振り向くと英国紳士の言葉が似合うステッキを携えた老人が立っていた。
「貴方は?」燐が老人に素性を尋ねる。
「私は、ここの博物館をこよなく愛する人間だよ」
それだけ言うと、その場から去っていった。
「何、あの人?」燐は変な人物だと言わんばかりの顔で去っていく老人を見る。
「ラモちゃん、行くぞ」
大人2人、どこかへ行くらしく長四郎に呼ばれた燐は付いて行く。
そして、向かった先は防犯カメラ映像が確認できる警備室であった。
「ここで、事件当時の映像を確認しましょう」
絢巡査長に言われ、長四郎と燐は防犯カメラ映像を確認する。
「お願いします」絢巡査長は警備員に事件当夜の再生をお願いすると警備員は「はい」という返事と共に事件当夜のビデオを再生させる。
そこに映し出された映像のどの場面にも、被害者が殺される場面が映っていなかった。
もちろん死体を展示コーナーに展示する場面も。
「どういう事? なんで、映っていないの?」
動揺する絢巡査長と燐を他所に、長四郎は平然とした顔で映像を見るのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます