展示-3
それからも長四郎は死体周辺の展示物をまじまじと観察する。
「何かあった?」
燐も長四郎の隣で長四郎は観察する物を見ながら尋ねる。
「何もない。なんで、殺されたと思う?」
「そんなこと知らないよ」
「だよなぁ~」
長四郎は渋い顔をしながら、現場とは別の展示物に目を向ける。
「長さん、死因分かりました。刃物で切られた事による内臓損傷に失血死です」
絢巡査長が長四郎に報告をする。
「失血死? でも、服は汚れていなかったのに。どうして・・・・・・」
燐は顎に手を当てて考え始める。
「綺麗に叩き切ったんだろうな」
「どういう事?」燐は説明を求める。
「綺麗に切れば、傷口が大きく開かず少量の出血で済むのよ。だから、血がべっとりついてなくても人は殺せるの」
「そういう事ね」
燐は説明を受けて納得する。
「そういう事だから、犯人は余程の剣豪と見たな」
長四郎は犯人の軽いプロファイリングをする。
「剣豪って」
それはないだろうといった顔の燐に長四郎は「ラモちゃんは知らないだろうけど。刀を扱うっていうのはかなりのテクニックがいるんだよ」と言う。
「そうなんですか?」隣に居る絢巡査長に質問すると「私に聞かれても」と困り顔になる。
「まぁ、そんなことはおき、被害者について話を聞きたいな」
「分かりました。では、これから私と共に関係者の聞き込みをしに行きましょう」
絢巡査長の提案に2人は『はーい』と声を揃えて返事をするのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます