第肆話-映画
映画-0
港区にある廃倉庫。
一人の女性が手足を縛られ猿ぐつわを嚙まされ地面でのたうち回っている。
女性の視線の先には、レインコートに身を包み手にはサバイバルナイフが握っている人間が10m先に立っており、ゆっくりとこちらへ向かって歩いてくる。
倉庫の中は暗いかつフードを目深に被っているので、顔が確認出来ない。
「ふぐっ! ふぐっ!(訳:来ないで! 放してっ!)」と猿ぐつわでまともに喋れないので、精一杯、声を出して相手を牽制する。
身をよじりながら後退りする女性だが、レインコートの人間との距離は遠ざかるというより、近づく一方であった。
「ふごっ!! ふごっふごっ!!!(訳:何で!! 何でこんな事するの!!!)」
遂に女性は捕まり、レインコートの人間は馬乗りしこう言うのだった。
「何、言っているか分からないよ」
女性の猿ぐつわを外すレインコートの人間。
「あ、貴方!?」
近くに来てようやく相手の顔を把握し驚愕する女性。
「もう気づいちゃった? つまんないなぁ」
「わ、私に悪いところがあったら言って!! お願い!!!」
「それを言ったら、許してもらえるとでも思っているの?」
その問いに女性は必死で頷いて許しを請う。
「それは無いよ」
その言葉で女性の目から輝きが消える。
「じゃ、じゃあどうしたら許してくれるの?」
「許すも許さないもないよ。だって・・・・・・」
「だって?」
女性が復唱する同時に、持っていたサバイバルナイフを天高く上げ、女性の心臓目がけ一気に振り下ろす。
女性の断末魔が倉庫内を駆け巡る。
「声が大きいよ」
レインコートの人間は胸に刺さったナイフを抜き、今度は女性の喉仏を刺す。
それを皮切りに、動かなくなった女性を滅多刺しにしたレインコートの人間は満足したのか、立ち上がると同時に女性の胸にナイフを突き立てる。
そして、着ている衣服に血が付かないようレインコートを脱ぎ70ℓ容量のゴミ袋にレインコートを入れると袋の口を縛り、近くに停めてあるバイクのサイドバックにしまい、バイクにまたがりエンジンをかけその場から立ち去るのであった。
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