いぬ増殖
仲仁へび(旧:離久)
第1話
おかしいうちの犬が増えている。
見間違いじゃない。
どう見ても増えている。
一匹が二匹になっている。
うちの黒柴のこたろーが、現実をバグらせて増殖してる。
ものがぶれて見えるとかそういう次元じゃない。
だって、いびき声が二匹分あるし。
どうして?
うちの犬になにがあったというの?
このあいだ、一匹じゃさびしかろうと思って「ゆくゆくはもう一匹飼えたらいいよね」なんて話しかけたから分裂してしまったとでもいうの?
犬は、異常事態なんて起こっていないみたいな顔で、のんびりお昼寝している。
二匹ともまったく同じ寝息のリズムを立てている。
怖い。
見た目的には、ほのぼのしたこの光景が怖い。
うろたえていると、迷い犬を探しているらしき飼い犬の声が聞こえてきた。
その男性らしき人は、通行人らしき誰かと話をしていた。
犬が逃げ出して困っている。
その犬の特徴は、黒の柴犬。
お昼寝をするのが好き。
混乱しているのか、この辺りに同じブリーダーからひきとられた兄弟がいるらしい事も喋っていた。
私は二匹の犬を見た。
当てはまってた。
心なしか、一匹の犬の体格が小さく見えた。
私は「そういう事か」と安堵して、その迷い犬探し中の男性へ話しかけにいった。
そうだよね。
まったく何もないところから突然生物が増えるわけがない。
いぬ増殖 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます