第75話 6200才の恋

#スタートレック #レイナ #アンドロイド #エンタープライズ #カーク船長


主人公 カーク船長  脇役 フリント

 

印象に残ったセリフ

カーク船長「ライタリンを隠したり、手間取らせたのもこのためか。はじめから企んでたんだな。だからわたしとレイナを二人きりにして、レイナの感情を目覚めさせようとしたんだ。そしてこれから自分が取って代わる」

フリント「はじめから私のモノだ。そのように創った。レイナは私の妻だ、同じ不死身だ! きみの一時的な感情など問題ではない、しょせん無駄なものだ」

カーク船長「無駄なもの? 無駄だというのか。自分でも利用しておきながら……!」



ストーリー

エンタープライズで伝染病が発生。カークたちは特効薬のあるという無人惑星に向かう。しかしそこには地球人のフリントが住んでおり、他にもう一人レイナという美女がいた。カークたちに対して敵意を表すフリントは、レイナとカークの関係に執着する一方でカークたち引きとめようとしたりと、不審な行動が続く。フリントの経歴を調べると……



感想(ネタバレ注意) 

 レイナの死は、このシリーズ屈指の見どころです。

カーク船長は、倒れ伏したレイナを見て

スポックに問いかけます。

「なぜだ!」

スポックは、答えます。

スポック「あなたを愛していました。それに、ミスタ-・フリントのことも。教師として、また父としても。

その感情の相克に耐えきれなかった。そして彼女は急激な感情の芽生えを、制御できなかったんです。

ふたりのどちらも、傷つけたくなかった。

愛の目覚めにより人間になり、愛の苦しみによって死んだのです」


なんという詩的な表現でしょう!

スポックは、地球の詩人(T.S.エリオットとかバイロンとか)

の素養もあります。

徹頭徹尾、観察者としてその場にいたスポックだからこそ、

こういうセリフが出てくるんでしょう。



マッコイは言います。

「きみには理解できんだろうなスポック。しかしカークよりむしろきみに同情するよ。

きみには愛や情熱の力が、永久にわかるまい。

その歓びも、その苦しみも。

規則を踏みにじり、理性をも失い、ただそれに賭ける気持ち。その瞬間にだけ生きる。

それはきみには絶対、出来ないことだ、ま、ある意味では倖せなのかもしれんがね」


地球人の情熱の力を賛美しているマッコイ。

スポックだって、情熱の力は知っているはず。

理詰めで考えているヴァルカン星人の部分と

感情で考える地球人の部分があるんですから。


マッコイは、スポックのそんな立場を知ってるのに

意地が悪いんじゃなかろうかと思ってしまいます。

太陽のように輝く情熱ばかりが情熱じゃない。

月のように冷たく輝く愛もまた

ひとつの愛の表現でしょう。


平安時代の日本人は、

月に託して愛を語ったものです。

その意味では、ヴァルカン星人と

似たところがあるかも知れない。

情熱も、抑えて耐えて忍びつつ、

告白するのが美学だった。


スポックは、最後にカークと精神融合して

カークの記憶を消去します。

スポックもまた、耐える愛を知っているのでしょう。

なんとなくBL的だが……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る