二刀流

影神



私は二つ名の異名を持つ者。




ひとつは、この世に生まれた時に名付けられた名前。



先祖から受け継がれし名字である。




そして、もうひとつは、、




ひとりで食事をする時に表れる。



自称。



"二刀流ファイター"である。




外食や誰かと食事をする時には、



当たり前だが、その姿は隠している。




何故なら、行儀が悪いと言われるからである。




人間の脳は僅かなパーセンテージしか使われていない。



これは、我々が抱えし未知なるモノでもある。



それを、覚醒させる為の行為。



と、私は自称している。



※あくまで物語です。


良い子はきちんと食事をしましょう。




どんな時に使うかって?



まあ、、なんだ。



隠す事でもない。




だがこれは、我が奥義であり、裏の姿である。



故に。直接的に伝授出来るモノではなく、



自ら得るべきモノなのだ。




例えば、こんな事は無かろうか?



王道に、肉を焼くとしよう。



考えただけでも、唾液が溢れてくる。



並べられた肉。



それは、




命。




その命を頂く為には、



自らが使う箸を使い、焼く事は禁じられている。



これは、頂く命に対しての礼儀でもあるのだ。



※食中毒等の衛生的な問題です。


あくまでも個人的な意見です。




トング等は邪道だ。



人間の遺骨をトング等で掴むだろうか?



いや。愚問だろう。



それらを、行うのは箸。



すなわち。



我々は、箸とは密接的な立ち位置にあるのだ。



※あくまでも個人的な見解や意見です。




有り難い事に昨日は給料日。



我々の対価が金銭と呼ばれる形で支払われる。



しかし、その対価は税金と呼ばれるモノで、



殆どが消えてしまうの、、んんっ。




今はやめておこう。




目の前に並べられた命に対して失礼である。



スーパーで、普段なら滅多に買えないノー、シール。



赤いマークのパーセンテージや割引の文字。




彼等には一切無い。




美しい。




1ヶ月に一度。



見られるか見られないかのそれらは。



今。




私の目の前に広がっている。




有り難き幸せ、、




これは、生き物を育てて下さった方。



販売用に加工して下さった方。



棚へと並べて下さった方。



そして、レジを打って下さった方。



そして、なによりも。




その命に感謝すべき事である!!




皆が忘れがちだが、間には必ず入る。



輸送して下さった方にも感謝しよう。




お金を出して買う。




と言う行為だけではない。



必ず誰かしら。何かしらを経由して、



今。目の前の物があるのだ。




その事を決して。忘れてはいけない。




「、、ありがとう。




美味しく、頂きます。」




さて。



祈りは済んだ。




米は既に炊けている。



勿論、これらにも。



このテーブルに並ぶまでの、



過程に至る全ての工程に対して。



関わった人や時間。労力や食材に対しての、



"感謝"を忘れてはいない。




今。食べられるという事が。



当たり前ではないのだから、、




白米。タレ。肉。



そして、今日を迎えるまでの私にも感謝しよう。




野菜?



ふっ。



今日は、いらん。



※野菜も美味しく食べましょう。


野菜を食べないと、大きくなれません。


諸説あり、、




『ありがとう』




熱したお一人用焼き肉プレートに。



左手に持った箸で、優しく。



命を寝かせる。




ジュー、、




匂いと音。



これらにも、感謝しよう。




食事は味覚だけではないという名言は。



正に、この事なのだろう、、




色は徐々に変わり、遂に食べ頃を迎える。




さあ、今。見せよう!!




長々と私の心の声を読んで。



私的な偏った意見に飽きた頃だろう。




二刀流を発揮させて貰う!




白い煙の中に、入り込むのは右の手で持った箸。



蒸気と熱で暑くなった私は。




宛ら砂場を歩く蟹の様に見えるのだろうか。




掴んだ命をタレへと付ける。



左手は空いた場所へと、新たな命を寝かせる。




残念だが。



ここで、二刀流は一旦終わる。



何故なら左手はお椀を持つからだ。




かために炊いたご飯に。



タレをコーティングした命を乗せ。



待ちわびた私の口中へと入れる。




「、、、




うめえ、、」




感謝を忘れず、きちんと噛み締める。



この一口。




それは、誰もが感じられるモノではない。



沢山の苦労。時間や、年月を得た。




"生きているという証"




なのだから、、




味もそうだが。




命の重みを感じるのだ。




肉。



それは、私を二刀流へと誘う。



そして、明日の私の命に繋がる。




私の身体の一部となって。



共に生きて行くのだ。。





















食べ物は残さず、感謝して頂きましょう。








「、、ご馳走さまでした。」

















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二刀流 影神 @kagegami

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