#127 雛の巣立ち
フレメヴィーラ王国現国王リオタムスは一拍の間を空けてから、ゆっくりと椅子に背を沈めた。向かいに座る小さな人物をひたと見据える。
銀鳳騎士団団長エルネスティ・エチェバルリア。
まるで少女のような愛らしい外見に小柄な身体。一見してひ弱そうでありながら、実態はこれまでに王国を揺るがす一大事にしか関わってこなかった国随一の問題騎士である。
彼を取り立てた先王アンブロシウスを慧眼とみるか、否か。王の座について浅いリオタムスではまだまだ判断しかねるところだった。
「正直なところを言おう。魔の森ボキューズに墜ちたと聞いた時、私はお前が死んだのだと思っていた」
「陛下にはご心痛をおかけしてしまい、申し訳ありません。しかし森には
「……魔の大森海を生き延びるほどの執念とはな」
リオタムスはため息を漏らし、すこしばかり力なく首を振る。
「こうして話していられると言うことは、お前の力は私の想像を上回っていたということ。それはある意味で喜ばしいことである、しかしな……」
彼はふと目を細めた。報せを受けたときの心の動きが、まざまざと思い出される。
「常に賭に勝つなどと言うことはあり得ない。この件はそれを思い知る機会となった……。我々は慢心していたのだろう、お前ならばあらゆる事を可能ならしめるだろうと。いかに有能であれどお前も一人の人である、決して全能の存在などではない。そんな当たり前のことすら忘れるほどにな」
師団級魔獣を斃し、西方の動乱を鎮め――その圧倒的な功績の輝きの下に隠れていた、単純な事実。銀の鳳は英雄ではあっても不死ではない。イカルガという史上最強の鎧をもってしてもなお、死神の手がかすめることだってあるのだ。
「父上より聞き及んでいる、銀鳳騎士団はお前を護ると共に力を生かすために成り立ったものであると。事実として功績は比類なく、時を経るごとに銀の鳳は大きく成長した。騎士団だけではない、エルネスティ。お前自身の名声も今や揺るぎないもの。当初の役目は果たし終えたと言ってもよかろう。今こそ姿を変えるときである」
エルは神妙な表情で次の言葉を待った。そうしてリオタムスが厳かに告げる。
「銀鳳騎士団に、新たに騎士を増やす」
「……少し意外でございます。規模を拡大するのでしょうか」
エルは目を瞬き、首をかしげた。リオタムスは肯きつつ、言葉には続きがあった。
「その上でだ。銀鳳騎士団にある各中隊、これらそれぞれを“新たな騎士団”として独立させることとする」
ただ人を増やすだけではないということである。エルはこれまでと逆側に首をかしげ直して。
「陛下のお考えは承りました。ですが所属する戦力をすべて独立させるとなれば、銀鳳騎士団はここで解体するということでしょうか」
「そのつもりはない。銀鳳の名はすでに諸国にも轟いている。いまさら無くしてしまうのも無益であろう。だからこそ姿を変える」
エルはかしげた首を戻す。
「新たに独立する騎士団は、銀鳳騎士団の配下と位置づける。これまでは数個中隊しかなかったものが、それぞれで騎士団規模となるのだ。総体としての戦力はむしろ多くなると考えてよかろう」
銀鳳騎士団はエルを頂点とした一個の集団として機能してきた。これからは複数の騎士団を束ねた、階層型の構造をもって活動するということである。
そこまでは理解できたが、エルはいくらかの疑問を残していた。
「陛下、お畏れながら。それでしたら、銀鳳騎士団のまま規模を増しても良かったのでは」
「ここが最も大きな違いになるが……新たな騎士団は銀鳳騎士団と役目を分けよ。今後は有事に際してまず、それら騎士団をもって当たらせる。そのために規模を増すのだ」
「つまりは、まず僕が動くのは駄目ということでしょうか」
リオタムスは重々しく頷いた。
「お前が森にいる間にも、この国は大きく姿を変えてきた。幻晶騎士の強化、
わずかに彼の雰囲気が変わったことを感じ取って、エルは目を瞬いた。国王は変わらないように見えて、口元がいくらか曲線を描いている。
「銀鳳騎士団の中隊長たち、なかなかやんちゃを見せてくれたことだ。此度の働きによりボキューズ大森海をも越える実力を示して見せた。ならばそれだけの地位についてもらおうではないか」
「えーと」
エルは露骨に目をそらす。
「啖呵を切った通りに、成果も厄介ごとも持ち帰ってきたことである。少しは相応のものを背負ってもらわなくてはな」
「はい……」
しかし逃げ道はなかった。
エルはわざとらしい咳払いを残して話題を変える。
「そ、そうそう、つきましては陛下。騎操士たちの役割はともかく、幻晶騎士の開発についてはいかがいたしましょう。それもまた銀鳳騎士団の使命でございます」
「当然、それも新たに人をつける。そうであるな……
「
「近年の著しい変化にあって、まさしくお前はその先頭に立ってきた。だからであろう、より多くを知るために銀鳳にいることを願うものが増えていると聞いてな」
国機研の長であるオルヴァーあたりから陳情があったのだろう。飛空船や飛翔騎士の建造において銀鳳騎士団から人を出していたことがあり、影響したこともある。
「騎士団に送る人員については、こちらで選定しよう。増員が済んだところで……お前たちには多くのことをこなしてもらわねばならん。持ち帰ってきた厄介ごとが山ほどあるのだからな」
「はい……」
わりあいに自業自得であった。
そうしてリオタムスとの謁見を終えて、エルは帰途につく。途中、彼の帰りを待っていたアデルトルートがさっそくやってきた。
「お帰り! 陛下はなんておっしゃってた?」
「はい。銀鳳騎士団の騎士たちをすべて、新たな騎士団に移すそうです」
「……え?」
アディはぽかんとした表情のまま固まる。
それから説明もそこそこに、二人はオルヴェシウス砦へと急いだのであった。
銀鳳騎士団の拠点であるオルヴェシウス砦は、騎士団の帰還とともに大騒ぎの状態にあった。飛空船から荷物を下ろし、幻晶騎士を片端から工房に放り込んでゆく。
そのさなかに、騎士団長が国王の命をもって戻ってきたのであった。
「……と、いうわけです。陛下は銀鳳騎士団の姿を変えるとともに、新たな騎士団の創設を命じられました」
エドガーとディートリヒは顔を見合わせ、
「騎士団だって? その話は面倒だから断ったはずなのだけどね」
ディートリヒは腕を組み、不満げな様子を隠しもせずに言い放つ。
「助けに来てもらってなんなのですけど。けっこう無理を押して森に乗り出したと……」
「まったく騎士団長の教えの賜であるね」
彼は胸を張って答えつつも、目はそらしていた。
「ともかく。逃げられません」
「騎士たちを動かす……とすれば、銀鳳騎士団には誰が残るんだ?」
その横で、エドガーが眉根を寄せた。各中隊が独立するということは銀鳳騎士団のほとんどの戦力が新しい騎士団に移るということだ。
エルはすっと自らを指さし、次に親方を指す。
「僕がいますよ。それに騎士団を移るのはあくまでも騎士の皆さんですから、鍛冶師はそのまま残ります」
「もちろん! 私も絶対に残るからね!」
アディががっしりとエルを抱きしめていた。騎士団長補佐という肩書きをもつアディは、どの中隊にも所属していない。とはいえ名目に関係なく彼女がエルと所属を分かつことはないだろう。
「それではもはや銀鳳鍛冶師団だな……いいのか? エルネスティ」
「騎士団を分けるといっても銀鳳騎士団の名がなくなるわけではありません。少し手続きが変わるといったところでしょうか。僕たちのやるべきことに変わりはありませんから」
「陛下の命だから、従うのか?」
「それもひとつ。まず、先王陛下の頃より格別に目をかけていただいたことですし。後は、今後のことを考えれば騎士団の増員は必須でしたし……それに」
指折り数えていたエルは、そのまま拳を握り締めた。
「結果的にうまくいったとはいえ、この戦いではイカルガごと墜ちてしまいましたからね。同じ轍を踏まないよう、これから鍛えなければなりません」
「いやあの、マガツイカルガとかいう化け物では不足なのかい」
「マガツイカルガは急場しのぎの産物です、長々と動かすものではありません。仮に動かすとしても仕立て直しは必要です」
「さいで」
ディートリヒは面倒くさくなってきたのでとりあえず投げた。
「やれやれ騎士団長が乗り気では仕方がないか……が、待てよ。すると私たちはずいぶんと出世することになるな」
中隊長から一気に騎士団長身分である。ある日突然騎士団長に据えられたエルのような存在を別にすれば、破格の出世であるといえよう。
「晴れてこれからは騎士団の面倒をみる立場になるわけです。よかったですね」
「ううむ、正直面倒なばかりだよ」
ディートリヒが溜め息とともに首を振った時のことだ。それまでじっと話を聞いていた第二中隊の隊員たちが、わらわらと彼の周りに押し寄せる。
「つまりディータイチョがディーダンチョになるってことか!」
「イェー、ダンチョ!」
「オーウ、ダンチョー!」
「ええいうるさい! っておい、お前らやめ……!」
そのままディートリヒの胴上げを始めた第二中隊はさておき。
エルはエドガーのもとへと向かう。
「小なりとはいえ、俺が騎士団を率いるとはな」
「エドガーさんも、おいやでしょうか?」
「……そんなことはない。拝命しよう」
彼はしばらくの間じっと己の手を見つめていたが、やがて決意とともに頷いていた。
騎士たちがそれぞれに納得したところで、残るは鍛冶師たちである。とはいえ。親方は髭を撫でさする。
「まぁ俺たちゃなんにも変わらねーってところか。だが、人は増えると」
「国機研より人が来るはずです。これまでどおりオルヴェシウス砦を拠点に、研究開発をがんばりましょう」
「あっちにゃあ、たまに顔出してるからよ。知らぬ相手ってわけじゃあねぇ。坊主がそれでいいってんならこっちに異存はねぇさ」
一回りしたところで、エルは再び全員を見回した。
「さあて、これからは忙しくなりますよ。人は増えますがその分お役目もいっぱいです。ひとまずは……巨人たちをこちらに呼びましょうか」
「そーいえば、それがあったわね」
翌日。エルたちはカンカネン近郊にある演習場へと戻ってきた。
巨人たちは演習場を眺めるのにも飽きてきており、エルの提案にすぐに賛同する。
「それでは、皆さんには僕たちの砦に来てもらおうと思います。本来ならば歓迎の宴でもしたいのですが、なにぶん準備の時間もなくて」
「
そうして
半人半馬の機体が土煙をあげて現れたところで、巨人たちは目を丸くしていた。
「なんだこれは、半分が獣だと!? 奇怪な……」
「ううむ。
巨人たちはツェンドリンブルや、後方につけられた荷馬車をこわごわと眺めまわす。魔獣であればさまざまに知っている彼らであるが、さすがに人馬騎士は想像の外にあったようだ。
荷馬車に乗るよう言われて、彼らは不安も露わにあちこちを確かめていた。
「大丈夫です、もともと僕たちの騎士を運ぶために作ったのですから」
「ううむ。
意を決した小魔導師が荷馬車に上がる。巨人たちは顔を見合わせていたが、彼女に続いておそるおそる乗り込んでいった。
巨人たちには偽装のために、幻晶騎士用のマントがかぶせられる。これで遠目にはどこかの騎士団が移動しているように見えることだろう。近くで見れば怪しいことこの上ないが、移動中のツェンドリンブルをゆっくりと観察できるものなどそうはいまい。
「それでは出発です!」
ツェンドリンブルが隊列を組む。人馬の騎士は重くなった荷馬車を牽き、力強く走りだしていった。
一行はフレメヴィーラ王国にある街道のうち、比較的目立たないものを選んで進む。いちおう偽装はされており巨人の存在がすぐ露見することはないだろうが、念を入れてのことである。
走り出した最初は不安げな様子がぬぐえなかった巨人たちであるが、さして経たないうちに慣れていった。人馬騎士こそ異様であるが、荷馬車自体は彼らにとって新鮮で便利なものである。
道々、荷馬車から身を乗り出すようにしてあたりを見回していた。
「地を獣のごとき速さで駆けるか、これは面白きものであるな。ふうむ。虹の勇者よ、これで周囲を見て回れんのか」
「混乱が起こりそうなので、駄目です。もう少しおとなしくしていてくださいね」
「うむぅ。小人族の国を、百眼のお目に入れねばならんのだがなぁ」
「あの“獣混ざり”に言えばよいのではないか?」
「彼らは僕の部下なので、僕の命令を優先しますよ。それと幻晶騎士と呼んでください」
「むぅ……」
何しろ人間の国までついてくるような好奇心に満ちた連中である。その後も何かあるたびにワイワイと騒ぎ、ついうっかり荷馬車から落ちそうになるのを止めたりしながら、一行はオルヴェシウス砦へと辿り着いたのであった。
「これが、師匠たちの住む場所か」
砦を見上げ、小魔導師は四つの瞳を瞬かせる。幻晶騎士を格納することのできる砦は、巨人たちにとっても十分な大きさを備えている。演習場よりはよほど手が込んでおり、見ごたえがあった。
「まだ少しの間、巨人族について皆に知られるわけにはいきません。しばらくはここを拠点にしてください」
「なかなか歯がゆいものだ、虹の勇者よ。ここはここで、面白きものが見れそうではあるがな」
巨人は三つの瞳を巡らせ、周囲を確かめている。ここはまだ銀鳳騎士団の拠点だ、格納庫にはイカルガをはじめアルディラッドカンバーにグゥエラリンデ、カルディトーレとカラングゥール、さらにはツェンドリンブルや荷馬車などがずらりと並んでいる。なかなかに壮観な景色であった。
「少しの辛抱です。皆の“外着”が出来上がれば、ある程度自由に動けるようになりますから」
そうしてエルネスティは、笑顔とともに約束したのであった。
そんなある日のこと、オルヴェシウス砦を訪れる一団があった。
「我々は
「陛下から聞いています。ようこそ銀鳳騎士団、オルヴェシウス砦へ」
国機研の徽章をつけた鍛冶師たちであった。やはり適性ゆえに集団にはドワーフ族が多い。そのうち先頭に立つドワーフ族の女性が、一歩前に出た。彼女がこの集団のまとめ役なのだろう。
エルと並んでも大差のない身長に、長い髪を編み込んで垂らしている。彼女はニィっと笑みを浮かべ、槌を握った拳を突き出した。
「私は“デシレア・ヨーハンソン”……元、国機研第一工房で槌をふるっていた。よろしく頼むぞ。それとお久しぶりだ、ヘプケン鍛冶師長」
「国機研から人が来るたぁ聞いてたが。おめぇさんかい、デシレア」
エルは二人を交互に見比べて首をかしげる。
「お知り合いでしょうか?」
「おう、前に飛空船やトゥエディアーネがらみで向こう行ってただろ。あんときに話してた相手だ。それにお前も知ってるだろ、ガイスカ工房長。彼女はその孫娘だからよ」
「なるほど。聞き覚えのある名前だと思っていました」
話している間も、デシレアは興味深げな様子でエルを頭のてっぺんからつま先まで眺めまわす。
「銀鳳騎士団騎士団長! あんたの名前はよく耳にしている。……本当に聞いていた通り小さいんだな。ああ、ともかくだ。その節は祖父がお世話になった」
「こちらこそ、工房長にはカルディトーレという素晴らしい機体を作り上げてもらいましたから。今もお元気でしょうか」
「元気も元気! さすがに年齢を食って引退したんだがな。しょっちゅう国機研に顔を出して槌を握るものだから、私が連れ帰らないといけないんだ!」
「なんとも工房長らしいですね」
デシレアは腕を振り上げて見せる。これまでにも十分に槌をふるってきたのだろう、その身体は鍛冶師らしく鍛え上げられていた。
彼女をはじめとして、その背後にいる鍛冶師たち――多くはドワーフ族だが、もちろん人間もいる――を見れば、比較的若い顔ぶれによって占められていることがわかる。皆、この国の次代を担う若者たちなのである。
「自分で言うのもなんだが、これでも国機研では一目置かれていたんだ。腕のほうは期待してくれて構わない」
「確かにな。まぁそんなもん、最初から心配しちゃいねぇが」
そうしていると、デシレアの背後から年若い鍛冶師たちが身を乗り出してくる。
「銀鳳騎士団の名はかねがね! その技をこの目にできるとは、光栄です!」
「もちろん我々も国機研の名に恥じぬ働きをお約束いたします」
エルはにこやかに頷き、ふと表情を引き締めた。
「それでは早速なのですが。いま銀鳳騎士団は、鍛冶師たちに解決してほしい問題を抱えています。その対処をお願いしたいのです」
「おっと? いいさ、入団試験みたいなものと考えさせてもらう」
デシレアが不敵に笑う。元国機研の鍛冶師たちも少しざわめいたものの、すぐに力強く頷いていた。自分たちの実力を示す、いい機会であると考えたのだが――。
「それではまず、
「それは何か特殊な構造の?」
「
鍛冶師たちはいっせいに疑問符を浮かべていた。ここにいるのは国内の幻晶騎士技術の最高峰、国機研において将来を嘱望された者たちである。いまさら普通の外装を作るのに、その実力が必要になるとは思えなかった。
「ただ少しばかり難しいのが“身体”にあわせて作らないといけなくて……。ですがこれは銀鳳騎士団の活動を理解するうえで、重要な作業になると思います」
「おう、こっから先はちいと事情があってな。覚悟キメた奴しか関われねぇ。嫌だってのならしばらくは国機研に戻っててもいいぜ」
エルと親方が無駄な優しさを発揮する。
デシレアたちは顔を見合わせて相談していたが、やがて不敵な様子で振り返った。
「ここで退くようなら、最初からここにいないよ。その仕事、受けようじゃないか」
「ではこちらへ」
そうして、彼女たちは未知と邂逅する――。
「ふうむ、虹の勇者よ。ここで過ごすのも悪くはないが、少々暇だ。狩りにはいけないのか?」
「む、また大勢で来たのだな。そろそろ“外着”を用意してくれてもよいのではないか」
国機研の鍛冶師たちは、唖然とした表情のまま固まっていた。どれほど優秀な者たちであっても、想像の外からやってきた者たちを前にしては理解が追い付かない。
――幻晶騎士に匹敵する巨大な人が動き、歩き、話している。多数ある目が動き、彼女たちを見回していた。
巨人だ。決闘級魔獣のごとき巨きな人だ。
「なん……ヘプケン! これは、いったいなに……」
「おう、見ての通り巨人だ。
「そういうことを聞いているんじゃない!?」
「いちおうまだ秘密ですよ? 皆さんが外を出歩くために、幻晶騎士に偽装しようと思っています。それで彼らに合わせた外装を用意しないといけなくて」
デシレアたちはもはや言葉もなく、パクパクと口を動かしている。そこに、小魔導師がやってきて座った。
「皆、
「あ、ああ……」
かろうじて答えながらデシレアは、銀鳳騎士団が怖れられる理由を、ものすごい勢いで理解し始めていたのだった。
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