B-33
その後、俺たちは宿屋の浴衣を羽織り、少し外を散策して森林の温もりに触れてみたり、休憩中の紗季ちゃんも含めて他愛もない話をしたり…
大先生から【明日は、施設にいるからいつでもきてね!】と返答が来て、嬉しそうに喜ぶ紡もいたりして…
部屋食で提供された懐石料理に舌づつみを打ち、俺は久しぶりにビールなんか飲んでみたりしてみたんだ。
「えっ〜?!先輩って、お酒飲むんだぁ!」
「普段はほとんど飲まないけど、嗜む程度は飲めるかな??」
お酒が進むほど美味しい懐石料理だったんだ。でも、残念ながら紡のご飯には、敵わないけれどな?
「僕も20歳になったら一緒に飲めるかな…?」
「ん〜?なんか紡には、似合わないかなぁ?」
「そ、そんな事ないもんっ!」とちょっと膨れる紡、頬っぺたなんて膨らませちゃって…
「…どうしても飲みたいなら来年、度が低いやつから一緒に飲んでみような?///」
俺的には、オレンジソーダとかが一番可愛いと思うんだけどなっ…?
それでも「…うん!飲んでみるっ!!///」と笑顔で返す紡は、もう可愛くて仕方ない。こいつはほんとに何をやっても可愛いしか出てこないんだ。
◇ ◇
ご飯も食べ終わり、俺たちは大浴場で1日の疲れを流すことにした。
時間も時間だったのか、あまり人がいなくて、のどかに疲れを癒すことが出来たんだ。
ここの宿屋は、露天風呂も付いていて誰もいない露天風呂に俺と紡は、ゆっくりと身体をつけていった。
「んーーっ!!さいっこうぅぅっ!!!」
「ああ…ほんっと、気持ちいいなぁ…紡は、ほんとに温泉好きなんだな」
気持ち良すぎて顔がふにゃふにゃになっている紡…誰もいないから俺は、ツンツンと頬を指でつついてみた。
「んふっ、しぇんぱぁ~い…」
俺がツンツンしてもずっと無抵抗な紡…辺りを見渡して、誰もいないから…ツンツンしていた手を顎に持っていき…そのままグイッと紡の唇にキスをかましてやったんだ。
「…せ、しぇんっっ!!!///」
「…ふにゃふにゃで無防備な紡が悪い」
「ふぇえぇええっ!!!///」
ちょっと不貞腐れる紡もまた可愛い。ほんと、何もかもが愛おしいんだ…いや、こんなに紡にハマってる俺もある意味、異常か…?
「…なぁ?紡?」
「ぶぅ、なにさ…」
「はは、もう怒んなって…っ!俺らさ、こういう時は、男で良かったと思わないか?」
「…んっ…ど、どういうこと?」
「だってさ、普通のカップルならお風呂はバラバラだろ?こうやって、何も考えずに2人で入れるのは男同士の特権だと思うんだよな?」
「そ、そう言われてみれば…///」
「だから…」
そう言って俺は、お湯の中で紡の手を探してギュッと握ってやって…
「こんなことも出来るんだよな?///」
「うんっ、そうだね…///」
そのまま俺たちは、誰も来ない露天風呂で今日の疲れをお湯に流していったんだ…。
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