大惨事

「やべーですよ!武神、武神が問題児に加護を与えました!」

「えっ、マジ?それは…ヤバくないか?」


「そうですよ!加護二種類は第三の街にアレがあるから相当不味いですよ!」

「えっ?二種類も持って…あっ…寵愛…」


「何とかしてください!」

「何とかってなんだよ!?そもそもチートでもない限り運営はなにもできねーよ?」


「えっ?どういうことですか?こういう異常を調整するのが運営の役割じゃないんですか?」

「いや…バランス調整するとAIが拗ねちゃってゲームバランスがかえって崩れるんだよ…」


「えっと…だから?」

「放置しかない、正直妖精が気に入ったヤツだったからこうなる気はした」


「ハァ!?なんの為の運営ですか!?」

「マジでどうしようもない最強ビルドを潰すための運営だよ?」


「えっ?あれはガチビルドでは?」

「いや、アイツは運良いだけでガチビルドではないからなどうもできない」


「じゃあガチビルドってなんですか…」

「誰にでも真似できるクソ強ビルドだな」


「えぇ…じゃあどうしようもないって事だけ妖精の監視用AIくんに伝えて来ますね…」

「ああ…彼、あのプレイヤーにめっちゃ振り回されてて可哀想だしな…」


ーーー


えっ?我々運営はクールの行動に一切の関与を出来ない、頑張ってくれ?


それマジで言ってる?

なんの為の運営だよ…しっかりしろよ…


ハハッ…え?マジで?


しかも第三の街には加護2つ持ち用のエンドコンテンツがあるのでまずいかもしれません?


え?これ…俺が何とかする感じ?でも俺何の権限も無いよ?


あぁ…諦めて見守れってこと?

そっかぁ…


助けて!妖精様!


呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!妖精さんだよっ!


あっ本当に来たんだけど

加護2つ持ちは第三の街のエンドコンテンツに触れられちゃってヤバいので寵愛剥がしてください!


ヤダ、そこの君、武神の方に剥がすよう言ってよ


え?む、無理です…


よし!じゃあ、剥がすのは無理って事で!

終わり!かいさーん!


えっ、はぁ!?妖精様!妖精様!?

ほ、本当に居なくなってる…!


何で権限持ちのAIはみんなこうなんだ…!

…第三の街、もしかしてフラグか?


まさかな…?

いや、まさかな…!?


(よぅし!レベルも上がった!ジョブも強化されたとなればまたボスを倒して、第三の街行くか!)


あっ、これはフラグだったっぽい

終わった…いや!まだ!まだ分からん!


ボスで足止めされるかもしれん!

…自分で言っておいて何だけど無理あるなこれ


なんせ戦闘力を金の暴力とその不死性で賄えるようになってから戦闘も強くなっちゃったしな…


いや、でも一人だけエンドコンテンツ持ってるとかクソゲーじゃない?大丈夫?


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