革命

「大変です!平均レベルが凄い勢いで上がっていってます!このままじゃレベルキャップに到達する人も出てくるかもしれません!」

「えっ…もう?早くない?」


「そうですよ!だから焦ってるんです!早くアップデートしないとやることが無くなっちゃいます!」

「それはマズイな…よし、予定より早いが明後日アップデートする旨を通知しておいてくれ」


「はい!分かりました!」

「所でなんでこんなに平均レベルが上がるのが早いんだ?何かあったのか?」


「"騎士殺し"、ワールドクエストと続いて今度は平均レベルの底上げですよ!あのクールとかいうプレイヤー何とかしてください!」

「いや…チートとか使って無いし妖精が気に入って監視もつけてるから無理」


「はぁ!?じゃあ、またアイツに苦しめられるかもなんですか!?」

「うん、AIによる唯一無二のゲームというが売りである以上仕方ないことだ、諦めろ」


「畜生!『一芸』は上手く行ったのに!こうなったらせめてアイツを宣伝として使い倒してやる!」

「えぇ…まぁ、良いんじゃないか?彼、イベントでの活躍も派手だし」


「そうですよね!よし!そうと決まれば早速次のプロモーション映像に彼の映像を差し込んできます」

「あっ、ちょっ、アプデ!」


ーーー


どうやってクールが平均レベルを上げたか…

それについて語るためにまずはこのゲームにおける販売の扱いについて話そう


このゲームに於いて販売したものは基本的にそのまま消滅する


だが買い取った商品がもしアイテムだった場合には

扱いが異なる


"買い取った値段+α"で"再度店頭に並ぶ"のである

これはプレイヤー同士の取引を出来るだけ起こさない為の方策であり


レアアイテムをお金で買えるようにするためのシステムでもある


しかし、ここで注目して欲しいのはアイテムを売ると"買い取った値段+α"で"店頭に並ぶ"という点だ


つまり彼が大量の高品質ポーションを安値で売ったるとどうなるか…


「うん?このポーション色々スゲェな…って50Gで売ってる!?普通のポーションより安いじゃん!」


こーゆー事が頻発するのである


そしてこーゆー事でポーションが第一の街に大量に出回る、するとどうなるか?


鬼畜ボスであるはずの大蛇を誰もが討伐できるようになり、第二の街が賑わう


そうするとどうなるか?

狩り場やアイテムの充実により平均レベルが上がる


平均レベルが上がるとどうなるか?

運営が焦って大型アプデの日次を前倒しする


つまりは…大型アプデを一人の影響で前倒ししたんじゃい!


運営の労力…!

でも正直初期レベルキャップ50Lvは低くない?


まぁ、運営はそこに気づかれ無いためにもアプデしたんだが…


(『一芸2』大型アプデ来てたんだ、上位ジョブの追加にレベルキャップの開放クエストか…色々追加されたな…)


このように、この大型アプデを引き起こした張本人はすっごい呑気にこのゲームを遊んでるけどな!


自覚ぐらいしろ!(無茶振り)

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