第44話 フローラ視点 ※胸クソ注意
食事が質素で、冷めていた。
結局ドレスは一人では脱げなくて、前を切りながら脱いだ。
そしたら、午後に教会のシスターとかいう人が来たんだけど!
もっと早く来てくれれば、ドレスを切らなくて良かったんじゃないの!?
なんて使えない人なの!!
このシスターとかいう人がうるさい。
王宮へ連れて行かれていた子供を、私に育てろって言う。
やだよ。王宮で育てれば良いでしょ。
「あなたが育てないのなら、教会に孤児として引き取られます」
え?
「王族でないにしろ、王太子様はそれを望まれるでしょうか」
このおばさん、私を脅すの?
でも子供が居なくなったら、ヤコブが怒るかもしれない。
しょうがないから育てよう。
ヤコブに食事が美味しくないって言ったら、前に食べていた豪華な食事に戻った。
でも全部冷めているから、前みたいに一緒に王宮で食べたいって言ったのに、「それはできない」って言われた。
せめて一緒に食べようって言っても「王宮で食べるのが王族の義務だ」って言うのよ。
それならまだ結婚してないあの女が一緒に食べんのはおかしくない!?
そう言ったら「側妃候補の頃は君も食べていただろ」だって。
私がこの家に移ってから、ヤコブは体調が悪いって言って、あまり来なくなった。
最初は嘘だと思ったけど、たまに来た時のヤコブは本当に体調が悪そうだった。
あの女と結婚するのが嫌すぎて、ストレスなのに違いないわ。
「こんなに痩せちゃってかわいそう。私が側に居てあげられれば良いんだけど」
暗に王宮へ連れて行けって言ったんだけど、通じなかった。
「俺も君の側に居たいよ」
そう言いながら、押し倒された。
ココの家のソファは妙に座面が広い。
テーブルの高さも微妙だと思っていたけど、初めてそこでやった時に、このためなのだと納得した。
やるのを目的に全てが作られた家。
「先々代が妾の為に作った家です。貴女にピッタリですわね」
事後のベッドを掃除しながら、通いのメイドに言われた。
王宮メイドと違って掃除専門のメイドは平民だ。
「どういう意味よ!アンタなんかクビよ!」
そう叫んだら、「どうぞご勝手に」と言って帰って行った。
後日、シスターに「子供は保育所に預けて大丈夫です。王宮内で仕事をしてくださいね。まずは自宅の掃除から」と言われた。
家の掃除に、メイドが来なくなった。
あの女との結婚式の頃には、ヤコブはほとんど動けなくなった。
度々ヤコブに呼ばれて部屋に行く。
その理由は性欲処理だった。
動けないヤコブにまたがり、腰を振る。
なぜか動けないのに、性欲だけは衰えない。むしろ増してる気がする。
あの女と結婚して何日かした頃。いつもより少し動けたヤコブは、獣のように私を抱いた。
私を抱きながら「ちくしょう!アンシェリーは俺のモノだ!あの乳も、細い腰も!濡れて具合の良い穴だって!」と叫んでいた。
久しぶりに聞いたヤコブの声なのに、そんな言葉だった。
屈辱だった。
あの女との夜を思い返しながら、私を抱いたのだ。
動けなくなったヤコブの世話は、私がやっていたのに。
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