第9話
「制服を
サンドラの口から発せられた言葉に、私の心は凍りつきました。
前回の人生で、サンドラもあの女に人生を壊されていたのです。
今回も同じ
私とは関わりがないので当たり前かもしれません。
それでも同じ被害者。
今回の人生は、絶対に幸せになりましょうね。
子爵家には、フローラが起こした事件をしたためた書状と共に、彼女の荷物を全て送り付けました。
勿論、制服の代金と慰謝料も請求しております。
侯爵家と公爵家の連名で送ったので、拒否は出来ないでしょう。
ただし、制服は今着ている物以外は処分されました。
当然です。侯爵家が用意した制服を子爵令嬢が着るなど、ありえません。例え、代金を払っていてもです。
使用人用の馬車で登校したフローラ。
帰りは迎えが来ない事は予想しているでしょうが、子爵家からの迎えが来ている事には驚くでしょうね。
前回はその辺はどうだったのでしょう?
知りようが無いのですが、気になります。
入学式の席に座ります。
前回は王太子の婚約者として、王族席へと座っていました。
きちんと交流をして、関係を築いていた……と思っていたので、特別席にいる自分が誇らしかったのを覚えています。
今となっては、単なる牢獄に囚われた哀れな
まぁ、その地位だけは今回も頂きますけれどね。
サンドラとカレーリナと共に席に着きます。
明確な席が決まっているわけではありませんが、公爵家と侯爵家、そして侍女が一緒にいる事は不自然ではありません。
本来なら、ここにフローラも
もっとも、今更来ても私が座らせませんが。
今頃は自分の爵位に合った席に座っているのでしょう。
本来侍女は、仕える家の令嬢と一緒に行動するはずなのに、見習いとはいえ単独行動しているフローラ。
彼女はサンドラが入学式に間に合わないと
私達が席に着いて程なくして、王太子が到着しました。
私の方を睨んだ気がしますが、私はそれに気付いてはいないのです。
何故なら私は、今日は貴方が迎えに来ることを知らなかったので、友人と一緒に登校したのですから。怒られる覚えがないのです。
王族席に動きがあったので、さも今気が付いたかのように立ち上がって簡易なカーテシーをする。
隣のサンドラとカレーリナも同じように挨拶をした。
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