36話 告白①
レンは私の問いに答える気もなさそうに、ただ何も乗っていないテーブルを眺めていたが
聞き取れない程小さな音量でポツポツと語り始めた。
「あの日突然コウに家に来ないかと誘われた。
俺はてっきりDmをリークした事を責めるか、脅すかするつもりなんだろうと思ったよ。
でも家に行くと最近猫を飼い始めたんだと、黒い子猫を見せて来ただけで一向に本題を話そうとしなかった。
けれど何か言いたそうなソワソワした空気で
焦ったくなって俺は自分から聞いたんだ。
「あの電話の事、分かってるんだろ?」って
コウはその時は本当に分からなかったけど、後から報道が出た時全てを理解したと答えたよ。
多分それは本当だろう。
その後すぐ彼らの後番組のレギュラー番組に俺達が決まったから
アスタリスクのためにやったんだろ?と感謝をされたよ」
そう言ってレンはどこか情けない感じに眉を下げて笑った。
「そう言われて気づいたんだよ。レギュラー番組の初収録の時、アイが自分がリークしたと嘘を吐くプロデューサーと揉めた時何故あんなに怒ったのか。
あの時アイは「仲間だったんじゃないのか?」「恥知らず」と裏切りを責める言葉で罵倒したから、それが俺に向けて言われてるかのようで居た堪れなかったんだ。
コウはあの時、俺のために怒ったんだよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます