25話 挑発
「レンさんの話も聞かせて貰えませんか?」
「解散の理由……だよね?」
「はい」
「正直なことを言うと、これを話すのは気が引けるんだ……絶対に愉快な話じゃないよ?」
「構いません。というか、他のメンバーの誰も愉快な話なんてしませんでしたよ」
「それは……何も知らないからじゃないか?」
「ならもっと悪いですよ。彼らは【個人情報を知らべて脅してまで真相を知りたがっている熱心なファン】に好意を嘲笑って暴言を浴びせたり、薄汚い芸能界の裏側を暴露したり、愚痴を聞かせたり、妄想を聞かせたり
私をファンとして扱う人は誰も居ませんでした。それが大きな問題なんです」
レンは返す言葉もないとでも言いたげに、自分の膝をじっと見つめて何も言わない。
「私の事をファンだと思うのなら、最後まで誠実に対応してください。貴方達アイドルには夢を最後まで見させる義務がある。勤めを果たしてくださいよ」
その挑発の様な言葉に
「分かった。いいよ、それが僕のファンの望みなら叶えるよ」
そう言って、完璧なアイドルスマイルを見せた。
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