11話 メンバーカラー青 アイの証言②

「ファンの人なら薄々気付いてると思うけど、俺はあのグループの中で浮いてた。

仲が良さそうに見せるのもアイドルの仕事だとは思うけど、俺はどうしても出来なかった。

俺はダンスに関しては自信があったから、練習の時もメンバーへのアドバイスがついつい厳しくなってしまって、煙たがられて居た。


でもコウだけは俺のアドバイスを真剣に聞いてくれたし、いつもダンスを褒めてくれていた。

俺はコウのことを尊貴していたし、信頼もしていた

途中からダンスの能力は抜かれていたと思うけど嫉妬するより尊敬の方が大きかったし

別に仲良くはないけど、いい仲間だったと思ってる。


だけど、ある日突然コウの態度は変わった

きっとあの日愛想が尽きたんだろ……



アイドルの仕事って言うのは、内にも外にも好感度っていうものが凄く大切で、仕事を貰えるかどうかも、愛想の良さが大きく関わる。

でも俺はそういうのが苦手で、他のメンバーが出演者やスタッフと円満な関係を築いてくれたから仕事を貰えていたんだ。

でも1ヶ月くらい前、俺が番組の偉い人と少し口論になって…その時はコウが間に入って止めてくれたけど、今思えばあの日くらいから態度が変わったと思う。

結成して5年も経つのにアイドルとして振る舞えない俺に呆れたんだろうな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る