たかが詩じゃないか

詩音 悠

『つかの間の愛』

運命は気まぐれ あの夜の出逢いが

すべてを美しく変えたのよ

謎めいた微笑み 濡れたような瞳

輝いていた日々 好きだった

導かれる ままに抱かれ

冷たいシーツの波に溺れてた

夢を見て すべてを捧げ 

つかの間 愛と踊った

無垢でいられたの あなたといるだけで

絡ませた指先 信じてた



別れの予感さえ 気づかないふりして

静かな幸せに怯えてた

悲しげに歪んだ あなたの唇が

さよならと一言 幕を引く

霧雨降る 午後の街が

色を無くして滲んで流れる

夢を見て すべてを捧げ 

つかの間 愛と踊った

ささやかな願い 叶う事は無くて

雨は音を無くし 降り続く



頬を濡らす 涙はいつか

風に揺られて乾く日も来るわ

夢を見て すべてを捧げ 

つかの間 愛と踊った

忘れはしないわ 季節はめぐっても

あなたに愛された ことだけは

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