第9話「昼下がりのジョージ」
キュコ、
ザー……
カチャカチャ、
バチャバチャと、
エミとユズに出した皿を洗い、ついでに溜まった食器を洗っておく。
面倒でついため込んでしまうが、こういった機会にまとめてやるくらいには、そう面倒でもない。
コマメにやるのが嫌いなだけでね。
それなりに時間を掛けて食器を洗い終わると、
背後の美少女ズが、二人して机に突っ伏して眠っていた。
オッサンの一人暮らしにはそぐわない光景だが、光司的には割と見慣れた光景だった。
一人は部活疲れ、
一人は満腹故だろう。
さて、まいったな。
叔父さん、
……
団地若妻シリーズみたいんですけど!!!
みたいんですけど!
ですけど……
エミさぁぁん、
YOU達のせいやねん!
そう、「性」やねん!
子供とはいえ、微妙にエロいやり取りをされたせいで、叔父さん…エレクチオンがパグラチオンなのですよ。
カタフラクトがファランクスを
俺のメッサ―シュミットが格納庫で、起(お)っきしちゃってます!!!
だって~まだまだ男盛りなんですもの~♪ !!
性欲持て余してるんですもの~♪ !!
君たちが占領しているその大画面TVで、間男になりきって、斉藤ママ似の女優を、あられもない恰好で アンアン♪ 言わせたいんですよ!
だから、早く帰ってくれないかね…
と、
声を大にしていいたい。
とは言え、起こすのも忍びない。――寝顔が、これまた可愛い。
ウ~ム、どうしたものか…
さすがに、
しゃぁねぇ…フラグっぽいが、
……隣の部屋で見るか。──ニヤソ
スーと襖を静かに空けると、寝室として使っているもう一部屋に入る。
そして、音もなく入り、音も無く閉め、美少女ズと隔離する。
俺は忍者、
陰に生きる、
闇の中で活動する…、
ソロ活動だ!!!
さて、と。
枕元にクッチャクチャになったDVDと、その小さなプレイヤーがある。
DVDのラベルは事情により外してある。
故になんのDVDかは外見からはわからない。
だってね、
エミとかユズに見せるには教育上よくないじゃん?
と、
いうわけで。
大画面ではないが、
DVDという優れたカラーと綺麗なモニターで、俺の嫁たちを愛でようではないか!!!
ふふふ、
俺がVHSしか持ってないと思ったんかぃ?
ちゃうで~
最近はちゃ~~んと、DVDでもあるんやで?
団地若妻シリーズもほぼ全シリーズあるんじゃないかな?
結構作数あるから知らないけど、某通販サイトではシリーズで取り扱ってるしね。
かくいう俺もそこで買いました!
さすがに、店舗で買うのはちょっと恥ずかしかったからね…
ツ〇ヤで借りるのは平気なんだけどね~…なんでだろ?
うん。
んなこと、どーでもいい。
それよりも…今日は、どれにするかね?
枕元にDVDプレイヤーがある理由?
んなこと聞くなや…
──ティッシュが近くにあるんやから…察しろやぁ!
よし、今日は、君だ~~~!!!!
君に決めた!
ドゥルルルルルルルルルルル…ディィィン!!
団地若妻シリーズ「昼下がりのジョージ」
→ ある団地の、熟れに熟れた人妻と、隣に住むアメリカ人ジョージとの逢瀬(おうせ)を赤裸々に見せるヤバさMAXの作品だぁぁ!!
まさにアメリカ人らしく、「馬並み!」なアレが当時話題(一部の好事家の間で)となったものだ。
ま、まぁ…俺もMAX状態ならアレにも劣らない
……
…
……ごめん、嘘です。
あんなン無理です。「馬並み」です。
俺のは、萎びたキュウリでございます……ふっふぅぅぅい!
───ショボン…
とまぁね、
気を取り直してっ、と。
さてさて…
パカコ、とDVDを開けると、レーベルの表面に貼り付けられたエロォォイ表紙の女優に期待が膨らむ。
アソコも膨らむ!
そして俺は、
淑女をエスコートするがごとく、指紋を付けないようにプレイヤーにのっけると───
中国製の安物のDVDプレイヤーは、まだまだ快調でキュルキュルと回りだす。
存外に綺麗な画面は、暗い部屋の中で鮮明に映る。
タイトル画面をすっ飛ばして、
まずはここ、チャプター画面!!
そしてぇぇぇ、チャプターを選択し、
おぅ、ここだココ!
ジョージがバックから、
あの馬並みキャノン砲が列車に連結だ!
ジークフリート線を、吹っ飛ばせぇぇとばかりにぃ…、
米国製列車砲がガッシャンと連結される。───ふぅぅわぁぁ!!
ちくしょー、ジョージめぇぇぇぇ!
やるなぁ、ジョージぃぃ!
いい趣味してるぜ……服はそのままとな!
───ふっふぅぅぅい!?
さて、忘れちゃいけない。…ヘッドフォォォォン♪ !!
さぁすがにぃ、美少女ズが寝てる横で「アンアン音」を立てるわけにはいくまい…
しか~し、いつ起きるとも知れないので、マッハでいくぜ!
そう…、
俺の抜きテクは音速を破るぅぅ!!!
行くぜメッサーシュミット!!
Me262シュバルベ!
ドイツ製のジェット戦闘機はぁ、
見ろ、空の英雄よ、英雄たちよ!
ボーテンブラッテ作戦発動、さぁ、アルデンヌ上空から米軍を駆逐だぁぁぁ!!!
うぉぉぉぉ。
ジョージ!
ジョージ!!
ジョォォォォォジ!!!
すっげ、ジョージすっげ!
ジョージすっげ!!
きたきたきたきたきたきたぁぁっぁ!!!!
「ジョ…」──スポッ。
「ジョォォォジィィじゃないわ! このど変態がぁぁぁ!!」
ヘッドフォンが奪われ、背後で金切り声を上げる我が姪っ子よ。
メシリと顔面に白い靴下が突き刺さる。
ウム…
エミよ。
セーラー服での蹴り
目力(めぢから)全開!
と、ばかりにスカートの奥を見通してくれるわ!
カカカァ!!
見えた……!
黒とは…やるなエミぃぃ。───ドピュ○!!
その光景が、俺のエレクチオンをポンペイ火山のごとく爆発させた。
「へ、変態。へんたぁぁぁぃ!!!」
あちゃ~…
ティッシュティッシュ…
「イカ!? なんかイカ臭い!!??」
あ~鮮魚店開店しちゃったよ。
ふ…ふっふぅぅぅ……ぃぃぃ。ほふぅぅぅ
「ゆ、許すまじ…」
見たこともない
おぃおぃ、
叔父さんは、今なら何でも許せるよ?
金(キム)帝国?
いいんじゃなぁぃ?
金融緩和?
いいでなぁぃ?
憲法改正?
やっておしまぁい?
ふっふぅぅぅい!?
ふっふぅぅぃい?!
今日も今日とて、ふっふぅぅぅい!!!
「いいから、その
この大変な変態がぁぁぁ!! ──と。
スカートを
ご、ご褒美ぃぃぃぃ…!!!
グフぅ…
ザクではない…
川崎光司、昇天の後、昇天…
アソコ丸出しでピクピクと呻く光司を尻目に、また汚いものを蹴ってしまった…とばかりに一礼し、ユズのもとに向かうエミ。
ピンポンパンポ~~~ン♪
そして、
その時、異変が起こる。
日常、最後の
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