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ロンドンでボクは生まれた。それからパリに行き、大阪に来た。幼稚園で、美桜ちゃんと出会った。それ以来、ずっと仲良くしてもらっている。小学生の時も中学生の時も、高校生になった今も。
高校2年になった時に、両親は仕事で、またパリに行くことになった。自分は、美桜ちゃんと、大阪でいっしょにいるほうを選んだ。パリには行かずに、大阪の高校に、美桜ちゃんと通い続けることにした。
両親はパリで海鮮丼の仕事をするらしい。
ボクの家で、美桜ちゃんといっしょに2人で暮らしていくことになった。美桜ちゃんに、ボクの家に来てもらって、いっしょに住んでもらうことにした。いっしょに同じ高校に通いながら。近くに、美桜ちゃんの家もあるのだけれど、美桜ちゃんの両親も、美桜ちゃんとボクは、もう、ちっちゃい頃からの仲良しだから、2人でいっしょに暮らすことも認めてくれている。
ボクの部屋では、毎晩、霊の存在を感じている。
なんとなく、女の子の霊のような気している。
いつも、ボクの体を優しく抱きしめて、顔にキスしてくれている。
もともと女の子みたいな体だったけど、霊の、たぶん女の子に、毎晩、抱かれて、愛撫されて、キスされてるうちに、もっともっと女の子みたいな体になっていった。めっちゃ柔らかくて、めっちゃ曲線的な、えっちで可愛い女の子の体になっていった。
なんとなく、芸術家の霊のような気している。いつも、ボクに、芸術に対して、高い意識を持つようにとメッセージを送ってくれてるように感じている。ボクの芸術的な師匠のような感じだ。
高2の夏休みに、美桜ちゃんと一緒に2人でパリの両親のところに遊びに行ってみた。セーヌ川のちょっとした運河みたいなとこに家はあった。
晩御飯になったから、美桜ちゃんとキッチンテーブルに座ってたら 両親が2人で 料理を運んできて テーブルに どんっと丼を置いた。
見たら なんと 自分が美術の時間に模写した絵が料理になってた。
何の料理か聞いたら
『ヴィーナスの誕生風サーモンとイクラの海鮮親子丼』
食べるの もったいないくらいやけど
いただきます。
明日は、美桜ちゃんと一緒に本物の絵でも観てこようかな。
翌日、美桜ちゃんと、オルセー美術館に行ってみた。
カバネルさんと、ブーグローさんの、
「ヴィーナス誕生」
の絵画を、2人で観てきた。
美桜ちゃんに、またヴィーナスの格好をしてもらおう。
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