第20話 誕生秘話 お孫ちゃん編 3
娘からのメールで赤ちゃんが集中治療室にいることが分かった日、妹からもメールが来ました。発熱と激痛の原因。ミヨの検査結果です。
胆嚢炎。もう一度言いますね。タンノウエン。石が胆嚢に溜まって炎症を起こしたらしいです。デバネズミ1をご覧下さった方は覚えておられるでしょうか?
金造、おちん◯んから石が出ちゃった事件。その時コロリと音がした!
おちん◯んから血が出た事に驚いた金造が病院に行くと大騒ぎしましたね。
病院に行っておちん◯んに消毒して貰う気か! とミヨが全力で止めました。
実家に帰った時、おちん◯んから出た石を見せられドン引きしたデバネズミの体験談。覚えておられますか? 金造は今でも家宝にしています。
同じ食生活をしています。ミヨも遅かれ早かれ身体のどこかに石がたまってきたのでしょう。ミヨの場合は胆嚢だったというわけです。経験した方は分かると思いますが、痛みが伴うんですね。ミヨは胃痛だと思って我慢したらしく、膿んで熱が出てしまったそうです。手術するかどうかまた連絡するとメールに書かれていました。
原因が分かり少しほっとするデバネズミ。仕事から帰った夫にその事を報告。
しかしお孫ちゃんの情報はまだありません。夫婦二人でヤキモキ。
心配してもお腹は空きます。夕飯。洗い上げ。片付け。皿を拭いて食器棚へしまうという日常生活はします。左手で皿二枚を持ち、右手で食器棚オープン。
───ドンッ!
キッチンに大きな音が響きました。何の音!? 鍋が落ちた音とも違う。和室で掃除機が倒れた音? いや違う。私の頭全体に響く音。確かにここ三日くらい寝不足だったこともあります。音に敏感になっていたのかもしれません。
リビングにいる夫は全く聞こえてない様子。私はプチパニックになります。
とりあえず、お皿二枚を戸棚にしまおう。と、手元を見て驚きました。
皿の上にプラスチック容器が乗っている。ほら、よくプロテインと牛乳を入れてカシャカシャするような容器です。とても軽い物です。
まさか、さっきのドンッっていう音はこの容器が落ちた音? あり得ない。ありえない。こんな軽い物があんな大きな音を出すなんてあり得ない。
私は不審に思いながらお皿の上の容器を右手で持ち、元の位置に置きます。食器棚の一番上です。この位置からだから重力がかかったのかしら? それを足してもあんな音を出すなんてありえない。首をかしげながら皿をしまおうとすると、
😱 皿が真っ二つに割れてるー!
二枚持ってました。上の皿が見事に真っ二つです。めちゃくちゃ厚い皿です。
ヒビが入っていたわけでもないのに!? カケラ一つ飛ばす事なく真っ二つ。
主婦歴二十八年。落として割った食器は数知れず。けれど見事に真っ二つは初めてです。私は夫に言おうと思って……やめました。
皿が割れるって縁起が悪い。きっと夫はそう言うに違いない。だって私もそう思ったんですもの。割れた皿をシンク下に隠す間、悪い方に悪い方に考えます。
赤ちゃんが! ミヨが! もしかして二人とも!
いや、ミヨの命が無くなって、赤ちゃんを助ける? 最悪、最悪。
どうしよう。不安だ。今まで聞いた事がない音がして皿が割れた。偶然だよね。
いや、もし何かを知らせてるかも。いや考えすぎだよね。思考がぐるぐる。
スピリチュアル。私はあまり信じませんでした。偶然とか物は考えようとかで
鈍感思考でした。しかし、月猫さんの作品を拝読したあとだったので……。
心を落ち着けるために調べます。「皿が真っ二つに割れる」でググります。
最初に飛び込んできたワードは『身代わり』です。皿が身代わりになってくれるっていうんです。本当に!? 半信半疑のデバネズミ。
「家庭の不幸を持っていってくれる」「厄落とし」「いいことが起きる前触れ」
色々調べてもポジティブな事が書いてあります。占いと同じで良い事だけ信じよう。何はともあれ心が落ち着いたので、その夜はぐっすり寝ました。
翌日、三件のメールが入ります。届いた順番通りに書きますね。要点のみ。
📩お母さんの熱が下がり、抗生剤で炎症と痛みが引いたよ。退院できます。
📩今日から赤ちゃんが集中治療室を出て私のお部屋に来ました。たぶん一緒に退院出来ます。
📩コンテスト特別賞の副賞を送ります。
お皿が真っ二つに割れたまさに翌日に、いい報告ばかりだったんです。
そして……無事にミヨが退院して金造は大喜び。娘は赤ちゃんと一緒に退院して里帰り。副賞でもらった密林ギフト券でミルクとオムツを買わせて頂きました。
大丈夫と言い続け、物事が良くなるように思い続け、そうなった時の喜び。
伝わりましたでしょうか? 共有できたら幸いです。
デバネズミの幸年期♡ これから色んなことが起きるでしょう。けれどポジティブ思考って大事ですね。全てのことに感謝です。デバデバ。
このエピソードを書いている最中、カクヨムコンテスト応募要項が出ました。「誰にも信じてもらえない不思議な話」で書けばよかったかな。(笑)
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