第12話 陣痛見舞いand報告は突然に!

「もしかしたら本陣痛が来て入院したかも。起きて!」

携帯電話の通知音が聞こえて夫を起こすデバネズミ。

夜の十一時。寝ぼけまなこで確認する夫。


「早く、なんて送ってきてるの! 早く!」

二、三日前からずっと前駆陣痛で苦しんでいた娘。


陣痛間隔が五分になって病院に行ったのに……。

微弱。子宮口が開いてない。帰宅……。


📩声が出て震えるほど痛いけど、まだ産まれない。

───気長にお待ちください。


私宛てのメールから二十四時間が経過している。

もうそろそろだよね。本陣痛になったよね。

とにかく早く、病院に行って欲しいデバネズミ。


病院にいれば安心。何が起きても安心だもの。


ここ一週間、落ち着かなかった。(泣)

婿さんがコロナ陽性になってちょうど一週間。

感染対策を万全にしながら、看病する娘。

自宅待機中、いつ罹ってもおかしくないよね。


保健所と病院の指示に従い、徹底予防の中の陣痛。

一番気遣って欲しい時に一人で頑張ったね、娘。


「食料を届けに行ってあげたい。背中をさすってあげたい」

夫に訴え続けたデバネズミ。訴え続けた一週間。

感情に任せて行って、自分たちが罹ったらダメでしょ!

夫になだめられて、メールで励まし続けた一週間。


検査結果を二回聞いても落ち着かないのだよ。

産む寸前に陽性になったら帝王切開。赤ちゃんとは隔離。

抱っこも出来ずに……。娘のメンタルも心配なのだよ。


───無事に産まれたら、いっぱい褒めてあげにゃいかん。


夫の冷静な一言でポジティブ思考に切り替える私。


『こっちに来たらたくさん休んでね。

 危機を乗り越えると夫婦の絆は強くなるよ。

 赤ちゃんに会えるのが楽しみだね。

 痛みに耐えて、耐えて、耐えて、辛抱ね。


 不要です。デバデバ👋

 何に変身するのが望み(怒)って怒られそうだから消したよ。


 


◯⚫︎◯⚫︎◯

「何て送ってきたの! 早く教えて!」

『お待たせしました。産まれたよ!』だって。

 

産まれたんかーい! いつ病院に行ったの?

待ってたけども、一言教えてー! 涙目。

ツッコミながらシャウトするデバネズミの横で

夫が婿さんに何か打って送っている。


おめでとうございます。

いっぱい褒めてあげてください。


夫はどんな時も冷静で娘がかわいいんだな。


みなさま。

自然分娩で無事に生まれました。

三千グラムの元気な女の子です。

ご心配をおかけしました。

(ねむこさん、柊さん、詩遠さんには特にm(__)m)


ありがとうございました😊 感謝を込めて 星都ハナス✨

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